【直6×PHEVは決定版?】レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550e レンジと電気の相性は抜群

次第にミニマリズムを増すエクステリア 2022年にデビューした新型のレンジローバー・スポーツ。そのラインナップは2024年モデルになった段階で全て電動化されている。今回試乗できたモデルはシリーズのトップモデルであるレンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550eだった。 【画像】【相性抜群!】レンジローバー・スポーツ・オートバイオグラフィーP550eの詳細をみる 全14枚 オートバイオグラフィーはレンジローバー系の最上級トリムの名称であり、車名の末尾のアルファベットと数字がパワートレインの内容を示している。『P』はペトロル、ガソリンエンジンであることを意味しており、『550』は最大トルク(Nm)、そして『e』は電動化の証である。実際のパワートレインは、3リッター直列6気筒ガソリン・ターボにPHEVシステムを加えたもの。エンジン単体の最高出力は400psで、そこに217psのモーターが加勢する。 ウェッジが強調された強いインパクトを持つエクステリア。 神村聖 平らな面とそれらが組み合わさって生まれるウェッジが強調されたエクステリアには強いインパクトがあり、レンジローバー・ファミリーらしい『機能マターの伝統』を感じさせてくれる。 ホイールは標準で20〜22インチ、オプションで23インチが選べるが、試乗車は22インチが装着されていた。エンブレム類はフロントにランドローバーのオーバルとボンネット先端の『RANGE ROVER』、リアには『SPORT』の文字だけ。スタイリングと同様シンプルに徹しているのだ。 室内も可能な限りシンプルに徹する『引き算』によってデザインされていた。前期型はシフトレバーの周囲にテレインレスポンスや各種の物理的なスイッチ類が存在していた。だが2024年のモデルイヤー以降はツルッとしたセンターコンソール上にシフトだけが生えるシンプルな見た目に変わっていたのである。 PHEV化で増した滑らかさと力強さ PHEV化されたレンジローバー・スポーツをドライブするのは今回が初めてなのだが、走りはじめてすぐに優れた仕上がりを実感できた。走り出しの滑らかさはレンジローバー系に共通しているが、モーター走行と遮音が効いたボディによって車内は不思議なくらい静か。 また2.5トン超の車重をまるで感じさせない推進力と、ドライバーの目の前に広がるすっきりとしたインテリアのデザインにも整合性が感じられる。ハイブリッドモードのままスロットルを強く踏み込むと、400psの直列6気筒エンジンがいつの間にかフェードインして、パワーに厚みを加える。 インテリアは高い質感を保持しながら、比較的すっきりとしている。 神村聖 ランドローバーのラインナップには今なおV8が存在しているが、軽快感やキレの良さではJLR自製のインジニウム・エンジンに軍配が上がる。特に直列6気筒版は今回のガソリンでもディーゼルでも、質感の高さと、スポーティな走りに寄与するレスポンスを持ち合わせているのだ。 ドライブモードの切り替えはランドローバー伝統のテレインレスポンスが備わっており、ダイナミックやコンフォート、ECO、オート、さらにはオフロードモードまで用意されている。それとは別にPHEVならではのセーブ(積極充電)、ハイブリッド(標準)、そしてEV(モーターのみの走行)といったモードが備わるので、システム全体を把握するのは容易ではなさそう。 だが普段使いではオートテレインレスポンス+ハイブリッドに固定しておけば問題なく、必要な時だけEV走行を選ぶという使い方でいいと思う。 電動化はSUVのネガにも効果的 パワートレインの電動化はモーターによる動力性能だけでなく、シャシー側の動的質感にも恩恵をもたらしている。レンジローバー・スポーツの場合は、電制油圧のスタビライザーがエアサスとともに姿勢制御の要となっており、SUV車の弱点でもあるコーナリングにおける重心の高さを見事に相殺していた。 今回感心させられたのは、コーナーで大きな入力が入った時の姿勢変化の小ささよりも、『電制』の効果で柔らかさをしっかり担保できている点だった。コーナーで踏ん張るだけならバネを固めればいいが、それでは乗り心地が硬くなってしまう、というジレンマを高い次元で両立できていたのである。 ジレンマを解消した足回りと美味しいパワートレイン。 神村聖 レンジローバー=高級SUVというイメージに対して、電動化による静粛性の高さもドライブしていて自然な感じがした。また、一般的なPHEVよりもさらにEV走行が現実的という部分も好印象だった。217psという最高出力のモーターはタウンスピードでは十分なパワーだし、WLTCモードでは116km、実際には90km程度走れるEV航続距離も心強い。 平日はBEVとして活躍し、週末はガソリンがあるので充電の心配がないというPHEVの特性とレンジローバー・スポーツのキャラクターが、お互いの足を引っ張ることなく自然な協力関係を築けている点が、今回のモデルの最大のアピールポイントといえる。 ランドローバーにはさらに上級なSVシリーズもあるが、『BEVの前の決定版』は直列6気筒エンジンを搭載したこっちだと言えよう。

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