地元の利用者も「嫌だな」特徴的IC『平面Y型』とは…東北道逆走 事故前に回避行動か

東北自動車で26日夜、車の逆走事故が起きました。警察の調べでは、現場には逆走した車による目立ったブレーキ痕は残されていなかったということです。ただ、正面衝突の直前、避ける様なハンドル操作を行っていたことが新たに分かりました。 【画像】地元の利用者も「嫌だな」特徴的IC『平面Y型』とは…東北道逆走 事故前に回避行動か ■GWで地元に帰省する途中で…亡くなった平岡さんを知る人 「昔は近所だったので小さい時のことも知っている。とても明るくておもしろい子。元気のいい子で、すごくいい子でした。会話がとてもひょうきんな子で面白い子でした。単身赴任をしていたと聞いたことがある」 亡くなった平岡勝利さん(56)。単身赴任先の岩手から地元・愛知に帰る途中の事故でした。 亡くなった平岡さんを知る人 「『1人で頑張って活動しているよ』と(家族が)言っていたから『すごいね』と言っていた。これから楽しめる人生を奪っていったんだから許せんよね」■東北道逆走 事故前に回避行動か 事故が起きたのはゴールデンウィーク初日の26日午後10時ごろ。逆走車を運転していた前原勇太さん(42)が死亡しました。なぜ事故が起きたのか。28日に新しく分かったことがあります。 正面衝突する直前、前原さんの車は接触事故を起こしていました。接触事故が起きたのは東北自動車道・黒磯板室インターチェンジから北に約500メートルの場所。前原さんの車の左バンパーが損傷していることから、警察は、事故が起きた時、路肩を走行していたとみています。 その後、理由は分かりませんが前原さんの車は走行車線へ。接触事故の場所から3キロほど走った所で遭遇したのが平岡さんの運転する車です。この時、平岡さんは右へ、前原さんは左へハンドルを切ったため、2台は追い越し車線上で正面衝突しました。警察は、両者が回避行動を取ったと分析しています。現場にブレーキの痕はなく、衝突時、それぞれ100キロ程度出ていた可能性があるということです。 また、約20分後にはこの事故でできた渋滞の列にトラックが追突し、追突された車に乗っていた埼玉県川越市に住む長嶋弓子さん(60)が死亡しました。 ■カメラに“酷似した車”近くのICから? 前原さんの車が逆走に至った経緯も徐々に見えてきました。捜査関係者によると、事故の数分前、逆走車とよく似た車が黒磯板室ICの料金所を通過する様子が、監視カメラに映っていました。 2009年に作られた黒磯板室インターチェンジ。料金所を抜けた先に、逆走を引き起こしかねない『平面Y型』と呼ばれる特徴的な構造があります。ここでは、料金所から東京方面に進入する道路と、福島方面から料金所に向かう道路がYの字のように平面交差。福島方面に向かう場合、料金所を過ぎてすぐに左に入る必要がありますが、そこを見落とした場合などに逆走する可能性が出てきます。 交差点には進入禁止の看板が設置されているほか、道路を色分けするなど逆走を防ぐ措置が取られていますが、改めてこの場所に向かうと…。 下村彩里アナウンサー 「暗いと路面の色分けはほとんど分かりません。進入禁止の看板も夜になると見えづらく感じます。構造的には左側にも入れるようになっています」■地元の利用者も「嫌だな」特徴的IC 多くのインターチェンジでは高速道路に入る道と出る道が立体交差し、逆走は起こりにくくなっています。一方で、Y字型に平面交差する構造もネクスコ東日本の管内だけで40カ所。そのうちの1つが四街道インターチェンジです。 延増惇ディレクター 「四街道インターチェンジです。今この料金所を抜けます。Y字路になっていますね。左側の道が高速を降りてくる道ですね。高速を降りてくる道、車が何台も来てます。そして右側が高速に入る車ですが、一時停止の標識、6つの右矢印と大きく右へ行けと強調されています。このように平面でクロスしている構造です」 この構造、よく利用する地元の人でもヒヤリとする時があるといいます。 地元の人 「毎回嫌ですね。慣れてますけど、嫌だなと思いますいつも」 「平面構造だから同じような同じことが起きると思います。分からない人は夜なんかは難しいかもしれない」 なぜこのような『平面Y型』の構造がいくつも作られたのでしょうか。 日本自動車ジャーナリスト協会 菰田潔会長 「今回の場合で言うと、インターチェンジを出る方に向かうのは単独のルートを作るべきだった。それができてなかった。あの辺だと土地があるので、土地が少なくてできなかったは理由にはならない。通過台数が少ない、利用台数が少ないケースだと、平面交差でも渋滞が起こらないということで作ってしまったのかなと」

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