副鼻腔炎の患者が増えています。 いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長によると、今年の患者数は例年に比べて2倍に。 「副鼻腔炎は感染症が多い冬と花粉症が多い春に患者が多くなる」といいます。 花粉や黄砂がきっかけで起こることもあるという副鼻腔炎。 どう予防していけばいいのでしょうか? 【写真を見る】「副鼻腔炎」黄砂や花粉も原因に…受診の目安や予防法は【ひるおび】 花粉や黄砂も原因に 副鼻腔炎のメカニズム 副鼻腔は、頬の奥や目頭、額など鼻周辺にある空洞を指します。 通常、副鼻腔は空の状態ですが、「副鼻腔炎」は粘膜が炎症してしまい膿がたまっている状態です。 風邪やアレルギーによって炎症が起きることでひきおこされます。 ≪よくみられる症状≫ ▼鼻づまり▼鼻水▼後鼻漏(鼻水がのどに落ちる)▼嗅覚障害(匂いがわからない)▼頭痛▼顔面痛▼せき 伊藤院長によると、「最初は風邪だと思ってしまう人がほとんど。鼻の奥の痛みから、頭や額などにも痛みが広がってきたら、医療機関を受診してほしい」といいます。 いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長: (副鼻腔炎の患者は)毎年いますし、年中いるんですけど、考えてみると3月から4月は異様に多い。やはり黄砂や花粉の影響が大きいのではないかと思っています。 恵俊彰: なぜ黄砂や花粉から副鼻腔炎になってしまうんですか? 伊藤博道院長: 花粉症は鼻の粘膜に炎症が起こって粘膜が脆弱になります。黄砂も鼻の粘膜へのダメージがかなり強いので、そうすると粘膜のバリアが壊れます。 ▼強い炎症でむくみが起こると、副鼻腔と鼻腔の通気口ががふさがる ▼副鼻腔の中が高温多湿になりばい菌やウイルスが繁殖 ▼行き場を失ったばい菌やウイルスによる炎症が強くなり、痛みなどの症状が出る 伊藤博道院長: ひどいと粘膜の途切れたところから広がって、皮膚の方まで蜂窩織炎(ほうかしきえん)という形で脂肪組織の中まで感染が広がってしまう。これが副鼻腔炎が重くなったときの症状です。 風邪の人の一部が副鼻腔炎になり、その一部の人が症状が重くなるということで、誰もが副鼻腔炎にはなり得ます。欧米では10%〜30%の人が副鼻腔炎を経験するというデータもあります。 恵俊彰: 薬はあるんですか? 伊藤博道院長: 例えばウイルスの場合にはそのウイルスに合わせたお薬ということになります。細菌の場合には細菌をコントロールする抗菌薬。 あとは、粘液がドロドロになると詰まりやすくなりますので、喀痰や粘液の溶解剤が基本的に使われます。あとは抗アレルギー薬ですね。 副鼻腔炎にならないためには ウイルスやアレルギー物質をなるべく体の中に入れないことが大切なので、手洗いやマスクが有効です。 ただ、伊藤院長によると、予防をしっかりしていても副鼻腔炎になってしまう人はいるので、症状が良くならない場合は医療機関に行ってほしいということです。 黄砂は5月も注意が必要 原因になるアレルギー物質は、今後どうなっていくのでしょうか。 気象予報士の森朗氏によると、 ヒノキ花粉のピークは過ぎましたが、黄砂は5月も注意が必要です。 コメンテーター 中村仁美: (副鼻腔炎に)一度なったんですけど、ものすごく痛い。顔も痛いし頭痛もひどかったんですよ。ただそれは風邪からの副鼻腔炎だったので、まさか黄砂とか花粉で副鼻腔炎になるっていうのは知らなかったですね。 弁護士 八代英輝: PM2.5もありますしね。僕も今ちょっと鼻が片方詰まってて、やっぱり免疫が弱まるとなりやすくなってくるのかなというのは体感としてありますね。 伊藤博道院長: 免疫も大いに関係あると言われています。免疫でウイルスやばい菌をやっつけられているうちは副鼻腔炎にもなりにくいですし、なっても早々に自然軽快しますが、免疫が弱ってくるとなりやすくなりますし、重くなりやすいので要注意です。 (ひるおび 2025年4月28日放送より)