外国語を勉強してみたい。だけど何から始めればいいか分からない。教科書選びに文法習得、単語の暗記、アプリの使い方…どこまでやればいいのか見当がつかない。チャレンジしてみたけど、挫けてしまった。そんな人は多いのではないだろうか。 『外国語独習法』では、100の言語をあやつる若き天才学者が初めて明かした「絶対に挫折しないための50のルール」を収録している。 ※本記事は4月24日発売の大山祐亮『外国語独習法』の一部を抜粋、編集したものです。この記事では第5章『独習の秘訣〜読解、暗記編〜』からルール32を紹介します。 ルール32　暗記は複数の手札を持つ いつの時代も、語学学習で最大のネックとなるのは単語の暗記です。会話をするならもちろん語彙が必要ですし、読解がメインであってもいちいち辞書を調べるのは面倒ですので、最低限の単語を覚えるのは必須です。長文読解などで単語が出てきた際に覚えるという手も考えられますが、単語の数が増えるほどやりにくくなります。本当に語学力をつけたいのならば、単語の暗記という作業はどうしても避けて通れません。 暗記にはいろいろな手段があります。王道は表に外国語の単語、裏に日本語訳を書いた暗記カードでしょうが、最近では第３章で紹介したようなアプリも一般的になっています。これ以外に、紙に何度も書き写したり、音読したりする方法もあります。単語帳をなんとなくペラペラめくるだけという勉強法は効果がありません。暗記シート方式のように訳語を隠して考えたりなど、何かしらの負荷をかけなければ単語は頭に入ってくれません。 では何が最高の暗記法なのか。強調しておかなければならないのは、ひとつの方法だけに固執する必要はないということです。単語の暗記の場合、音読、書き写し、暗記アプリのようないろいろな手段を積極的に併用することが定着への近道です。それぞれの方法に効率の差はあるかもしれませんが、ひとつの方法を極めるよりも、複数の方法を掛け合わせたほうが効果は高くなります。 紙に書く暗記シートはNG その際、それぞれのやり方に適した時間や場所があるので、うまく使い分けましょう。書き写しはある程度まとまった時間をとって机の上でやったほうが良く、音読は声を出しても大丈夫な場所が必要で、暗記アプリはいわゆる「隙間時間」との相性が良いです。自宅なら書き写しと音読は同時にやっても構いません。図書館などでは書き写しが良いでしょう。暗記アプリは他の勉強ができるタイミングよりは、移動時間などの他にやることがないタイミングにするのがおすすめです。 私は学生時代、家では書いたり音読したりする練習をメインにして、通学時間は暗記アプリのMemriseを使っていました。Memriseは2024年２月に仕様が大きく変わり、対応している言語の種類が大幅に減ってしまったので使うのをやめてしまったのですが、現在でも主にヨーロッパの主要な言語には対応しています。今はAnkiというアプリに自分で覚えたい単語を打ち込んで使っています。 唯一おすすめしない暗記法は、紙に書くタイプの暗記シートや暗記カードです。このタイプの方法では、ページ内での配置とか、どの単語の次に出てくるとか、語学的に意味のない情報をヒントにして覚えてしまうことがあるからです。例文中でこの単語の次に出てくるという覚え方なら意味があるのですが、暗記シートでこの単語の次に出てくるという覚え方では意味がありません。ですので、暗記シートや暗記カードを使うくらいなら、順番をランダムにしたり、復習の時間なども管理してくれる暗記アプリのほうがいいです。 100言語をあやつる天才学者が明かす、外国語独習をおすすめする「本当の理由」