「アマゾン」に出品された医療機器。2つは同じ商品に見えますが、片方は偽造品で、価格が10倍以上違います。こうした偽造品に適切な対応を取らなかったとして、販売会社などがアマゾン側を訴えた裁判で25日、東京地裁は3500万円の賠償を命じました。 　　　◇ 街の人に聞きました。 ──ネット通販を利用するとき、購入の“決め手”は何ですか？ ネット通販利用者 「評価はめっちゃ見ます。10個くらいはだいたい（口コミに）目を通します」 ネット通販利用者 「こだわりがなかったら一番安いやつを見て、口コミとかも大丈夫そうだったら買う」 聞かれたのは「値段」や「口コミ」を比較するという声。 アマゾンのサイトを見てみると…。 記者 「同じ商品でも様々な値段で出品されていますね」 同じものでも出品者が異なる商品が複数表示される「相乗り出品」という仕組みが使われ、利用者が比較しやすくなっています。 しかし、この仕組みが悪用される事案も…。 25日に会見を行ったのは、兵庫県の医療機器製造会社。「相乗り出品」で偽造品が出品されているのに適切な対応が取られなかったとして、アマゾンジャパンに約2億8000万円の損害賠償を求めていました。 出品されていたのは、血中酸素濃度を測定する「パルスオキシメーター」の偽造品です。 訴状によると、コロナ禍で「パルスオキシメーター」の需要が伸び、中国の事業者が偽造品を相次いで出品。正規品は2万5740円ですが、偽造品は約10分の1の価格でした。 相乗り出品では「偽造品」に対する口コミも同じページに表示されるため… 「日本製ではありませんでした」 「電源すら入りません」 偽造品を購入したとみられる、“低評価”の書き込みも。 原告側は、アマゾン側に対応を求めても出品停止などの措置が取られず、売り上げが大きく減ったと主張。 東京地裁は25日の判決で、「偽造商品の削除を求められたのに、調査をせずにページ全体を削除し、それ以上の対応もしなかった」として、アマゾン側に3500万円の賠償を命じました。 国民生活センターにはネット通販の偽造品に関する相談も相次いでいて、昨年度は約4700件。 “偽造品トラブル”に巻き込まれないために、何に注意すればいいのでしょうか─？ 国民生活センター　山之内優花さん 「大手通販サイトでも、相場よりも安く出品されている場合は注意が必要だと思います。日本語の表現がおかしい、違和感がある、字体が少し違うなどの点もポイントです。事業者名や電話番号や住所が記載されているか、正しい情報なのかを確認していただきたい」 （4月25日放送『news zero』より）