斬新すぎる「2人乗り“スポーツカー”」実車公開! 縦・横ドアの「キャノピーボディ」に2.2リッターターボ×高性能4WD搭載! 日本で“市販化”&公道走行OKな「アズテック」とは

公道走行か可能!? な未来志向の「元コンセプトカー」  新旧モデルが集う自動車イベント「オートモビル カウンシル」の楽しみのひとつに、「主催者テーマ展示」があります。    2025年4月11日から3日間開催された「オートモビル カウンシル2025」では、「生ける伝説のカーデザイナーGiorgetto Giugiaro展 『世界を変えたマエストロ』」(以下ジュジャーロ展)と、「THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN」という2つのテーマ展示が行われました。 イタルデザイン「アズテック」  今回のジュジャーロ展では、天才と称されるイタリアのカーデザイナー、ジョルジェット・ジュジャーロ(ジウジアーロ)氏が手がけた名車の中から、アルファ・ロメオ「ジュリア・スプリントGT」(1963年)やフィアット「パンダ」(1980年)、そしていすゞ「ピアッツァ」の原型となったデザインスタディ「アッソ・ディ・フィオーリ」(1979年)など厳選した10台を展示しました。 【画像】超カッコイイ! これがキャノピーボディの「アズテック」です! 画像で見る(30枚)  その中でひときわ「未来的」だったのが、イタルデザイン「アズテック」です。  アズテックは、名門デザイン工房 イタルデザインの創業20周年を記念して1988年の「トリノモーターショー」で発表されました。  ルーフを持たない2つの独立したキャノピー、リアタイヤを覆うスパッツ、シースルータイプのサイドドアなどの各部ディティールは、まるでSF映画に登場する“未来のクルマ”のような雰囲気を作り上げています。  ドアの開閉方法も特徴的で、サイドのドアは通常のクルマと同じような横開きなのですが、キャノピーが備わるボディ上面側は、車体のセンターを中心にガルウィング方式で上昇する構造になっています。  とはいえ上部ドアの開閉角度はわずかなので、乗り降りはちょっと大変そうです。  未来っぽさを強調するボディサイドのメカニックな意匠には意味があり、コントロールパネルの機能が与えられています。  パネルにコードを入力すると、エンジンオイルや冷却水、ブレーキフルードや水温に関する情報が表示されます。  さらに右側パネルには油圧ジャッキと12V電源コンセントを、そして左側には脱着式の電動ドライバーやタイヤに空気入れるためのコンプレッサー、消火器などを収納していると説明されています。  ステアリング位置は左側(左ハンドル)ですが、外から見ると助手席側にもハンドルが付いているように見えます。  しかし実際には、これは電卓のようにも見えるコンピューター風装備を覆うように設けられたアシストグリップです。車内を覗き込むと丸い円は上側半分しかなく、視覚的なトリックが施されていることがわかります。  運転席側はメーターナセル周囲にサテライトスイッチ類を配しており、ジュジャーロ・デザインの他車種との関連性を感じさせます。  発表された際には、アズテックのほかにも同じデザインテーマで製作されたモデルがほかにも2つ用意されました。  それが、アズテックの上側をクローズド・ルーフタイプに置き換えた「アスピド」と、6人乗りミニバンのプロポーザルである「アスガード」でした。しかしアズテックを含め、3台ともコンセプトカーとしての登場でした。  ところが、イタルデザインをジュジャーロ氏と共同で立ち上げた宮川英之氏は、アズテックの生産権を取得。日本限定で50台の生産・販売を予定しました。  走行可能とするために、ドイツのモトーレン・テクニック・マイヤー(MTM)に開発を依頼。  エンジンはアウディ「クワトロ」の2.2リッター直列5気筒ターボ、駆動システムにはランチア「デルタ」用の4WDシステムが選ばれました。  型式認定の取得はドイツで行われ、販売価格は50万ドイツマルク(当時のレートで約4000万円)、日本では約1億円に設定されました。  しかし、日本ではバブル崩壊によって景気が減退。結果として18台ないし25台(諸説あり)が生産され、日本には2台が輸入されたといわれています。  今回オートモビル カウンシル2025で展示された個体は、その1台です。  たった25台とはいえ、逆にここまでSF的なクルマが25台も作られたというのはむしろすごいことかもしれません。  しかも、元々はジュジャーロ氏がデザインしたコンセプトカーだったのですから、驚きは増すばかりです。

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