【日本は世界で4番目の市場】マセラティの販売を伸ばすためには?木村代表が語る「日本人の好みに合っているブランド」

『フォルゴレ』導入は急がない マセラティ ジャパンは10回目を迎えるオートモビルカウンシル2025に出展。1969年に製造されたギブリ・スパイダーと共に、最新のグランカブリオを展示した。会場で同社代表取締役の木村隆之氏に、今後の戦略について伺った。 【画像】オートモビルカウンシル2025のマセラティ・ブース 全76枚 まずは電動化について。本国ではグラントゥーリズモなどにBEVの『フォルゴレ』が登場し話題となっているが、日本導入はどうなるのだろう。 マセラティ ジャパン代表取締役の木村隆之氏に、オートモビルカウンシル2025会場でインタビュー。 中島仁菜 「日本では1.5%しか電気自動車の比率がないこともあり、導入を急ぐ必要はないと考えています」と木村氏。もちろん先々での導入はあるそうだが、「まだ明確なプランはディーラーにもお話していません」とのこと。 そして、「先になればなるほどコストや性能だけでなく味付けも、電気とガソリンを比較して『電気がいい』という方が増えてくるでしょう。(フォルゴレは)唯一クルマ好きに受けるEVだと僕はいっています。エンスージアストが乗ってもいいと思ってもらえるクルマですね」と述べた。 そこまで言い切る木村氏、実はバロッコで試乗もしたという。「内燃機関と乗り比べをしたのですが、サーキットではフォルゴレの方が楽しいんです。回生ブレーキがものすごく効き、立ち上がりも早いんですよね。僕はテイスト的に電気自動車は嫌いなのですが、これだったらいいなって思いました。日本導入がいつになるかはまだ明確に申し上げられませんが、楽しみにお待ちください」とコメントした。 ビジネスパーソンへの訴求も大切 もうひとつ、ブランド戦略も気になるところ。グラントゥーリズモやグランカブリオと共に、グレカーレも導入しており、ボディバリエーションや価格帯が広がったことで今後の展開が気になるからだ。 現在マセラティのユーザー層は個人事業主や医師、弁護士などのセルフエンプロイドが85%を占め、ビジネスパーソンは15%ほどだという。しかしグレカーレを導入していることなどから、その15%を30%程度まで伸ばしたいという。また、木村氏はビジネスパーソンの認知度が足りないとも考えている。 新たなエントリーモデルとして、特にサブネームを持たない『マセラティ・グレカーレ』が登場。 マセラティ ジャパン 「その層ではまだまだ、自分たちが購入できるクルマだと思われていないんです。長年のイメージもあり、マセラティの価格は2500万円以上で、自分たちには関係ないと思われているんですね。その方々に、グレカーレは1100万円スタートですとお話すると驚かれます」 そこで、マセラティ ジャパンとして積極的に説明の場を設けることにした。先日も有明で展示会を実施。そういう地域に住んでいる層をターゲットにアピールすることも必要だと考えている。というのも、近年多く建設されているタワーマンションの駐車場に入らないという誤解も生んでいるそうだ。 「グレカーレは駐車場に収まる場合が多いのですが(GTグレードは全長4846mm、全幅1948mm、全高1670mm)、最初から入らないと自分たちのクルマではないと思われる方がいらっしゃいます。ですから、まだまだ開拓の余地はあると思っています」 こういう活動は東京を中心に進められるという。 「現在も東京の割合が高いんですね。特にパワーカップルが多いのもこの地域の特徴ですから、まだ伸びしろはあると思っています」と語り、まずは認知度とともに2000万円を切る価格帯からラインナップがあることを訴求していくことで、ターゲットのショッピングリストに上がる方策を打って行くそうだ。 日本はアメリカ、中国、イタリアに次いで4番目の市場 一方、台数を見ると日本はアメリカ、中国、イタリアに次いで4番目に多い市場だ。その強みを木村氏は、「日本はマセラティ・ファンが多いから」と即答する。 「ボーラやメラクから連綿と続くブランドとしてスーパーカーブーム以来ご存知の方も多いですし、ビトゥルボ・ブームもありました。他国ではここまでの認知度は高くないので、これはとても強みになります」と木村氏。 マセラティクラブオブジャパンのブース。日本でのマセラティは、オーナーたちの長年にわたった愛に支えられている。 マセラティ ジャパン 同時に、「日本人の好みに合っているブランド」だともいう。「あまり派手すぎないので、ひけらかすことが目的で乗ってもあまり気が付いてもらえないかもしれませんが、『あなたは趣味がいいですね』と言われる。まさに日本にドンピシャだと思いますね」と、謙虚な魅力があることを示唆した。 これ見よがしではないブランドというイメージは、まさにマセラティならではと言える。その魅力をどれだけ伝えられるかは、マセラティ ジャパンの手腕にかかっているのだ。

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