国民民主党の玉木雄一郎代表は２３日に開かれた党首討論で、石破茂首相に対してガソリン税の暫定税率を廃止するよう強く要求した。 　玉木氏の持ち時間はわずか５分。物価対策で苦しむ人たちや将来に不安を抱えた就職氷河期世代の思いを石破首相に伝えるため、険しい表情で質問に立った。 　石破首相が段階的にガソリン価格を１リットルあたり１０円引き下げる方針については「国民は本当に困っていて１０円でがっかりしています。ガソリンの暫定税率はいつ廃止するのか。最も効果的で物流コストも物価も下がり、みんな喜ぶと思いますが、いかがですか」とぶつけた。 　これに石破首相は「１０円でがっかりしていると言うが、これでウクライナ侵攻が始まることの水準まで下がる。暫定税率廃止は、地方も含めて財源をどうするか。恒久的にきちんと手当てできるのかいうことも含めて真摯に議論を重ねてまいりたい」と述べるにとどめた。 　終了後、玉木氏は報道陣の取材に対し「私にとって５回目の党首討論、石破総理とは２回目の党首討論を行いました」とした上で振り返った。 「１つ目はガソリンの減税です。１０円の引き下げがどうやら決まるようですけども自民、公明、国民民主３党の約束は、ガソリンの暫定税率を廃止だったわけです。それをまた、たった１０円で補助金で下げて当面、選挙目的のようにやったふりをするのは、本当の意味で物価高に苦しむ国民を救うことにならない。『じゃあ、約束した暫定税率はいつやるんだ』と聞いたところ『各党で真摯に協議』ということで、極めて不誠実な答弁で非常に残念ですね」 　就職氷河期世代の年金底上げについても質問した。 「就職氷河期世代にとっては、命綱のような２０４０年以降の基礎年金の底上げを可能にする法案を出すと（石破首相は）明言しませんでした。就職氷河期を見捨てることを政治はやめるべき。そのことを総理に迫りましたが、残念ながら法案の提出ぐらい明言してほしかったんですけど、それすらなかったのは本当に残念です」と玉木氏は落胆した表情で語った。