「銅線泥棒」の正体 群馬県の某地方都市N。ここはカンボジア人の犯罪者や不法在留者たちが多く住んでいる街だ。いま日本の各地方都市にタイやベトナム人、ブラジル人たちが集まる街ができているように、さほど規模は大きくないがカンボジア人御用達の雑貨店やレストランもここにはある。夜は深夜までカラオケに興じるカンボジア人の若者たちで賑わっている。 ここにある昼はレストランで夜なナイトクラブ「M」という店には栃木や茨城など北関東からもはるばる訪ねてくる若者が多くいる、という。彼らの目的はこのレストランの料理や仲間と遊ぶためではない。彼らがここに来るのはある仕事が目的なのだ。彼らは一仕事終えた達成感で、稼いだお金を散財して夜中まで酒に歌に女に興じているのだ。その仕事とは、「銅線泥棒で稼いだお金の日本からカンボジアへの送金」だ。 近年、日本各地で太陽光発電所などの施設で、「銅線泥棒」が頻繁に派生して注目されている。太陽光発電所だけではない。昨年、群馬県渋川市の養鶏場からも銅線が盗まれ33歳のカンボジア人が逮捕されている。場所も岡山県など全国に広がっている。 彼らは窃盗した銅線をすぐに売りさばき、現金化してそれをカンボジアに送る必要があるのだ。なぜなら、彼らは捕まって強制送還されるのをさほど恐れていない。ある意味、折込ずみ、と言っても過言ではない。しかし、売りさばいた現金は警察に回収される前にカンボジアに送る必要がある。当然、まともな銀行経由などできないので「地下銀行」が彼らのメインバンクとなる。こういった「地下銀行」が日本の各所にあるのだ。 「地下銀行」の実態とは 一般の人たちが金融機関を選ぶのに手数料や各種サービスを比較するように彼らもどの「地下銀行」を利用するか、色々比較して選んでいる。この群馬にあるMは彼らの間では処理が速いので有名なのだ。「地下銀行」は例えば日本で100万円受けて手数料を引いた金額を両替してカンボジア側の支払い先に支払う。ここである程度の時間差が出るのが普通だが、「M」は即時にカンボジア側に支払われる。これが評判なのだ。なぜなら彼らが恐れるのは日本の「地下銀行」に警察の捜査が入って送金が止まる事だからだ。 手数料は少し他より高いが、この「M」が評判なのはもうひとつ、理由がある。実はこの「M」のオーナーはフン・セン一族の政府与党のCCP、つまりカンボジア人民党の幹部だからだ。店のオープニングパーティも大使館が派手に開催し、カンボジア大使館にも頻繁に出入りしている関係だという。日本でいえば自民党幹部が経営する地下銀行、という訳だ。即日支払いで人民党幹部が経営する安心な地下銀行、これが人気にならないはずはない。 これは日本だけの話ではない。タイやフィリピン、インドネシアなど各国に同様のCCP,人民党関係者が経営する「地下銀行」が存在する。近年は暗号通貨なども頻繁に利用されるが、所詮、旧来の現金取引がいまだ重宝されるのは言うまでもない。 警視庁国際捜査課や外務省などはこの大使館絡みの闇の犯罪組織図をどこまで把握しているのだろうか。把握しながらも外務省の顔色を見ながら放置していたとしたら、大問題だ。 そしてこの「M」に集う若者達が深夜に異様に大騒ぎする光景がしばしば見られている。噂されているのは「ドラッグ」の使用と売買だ。日本の暴力団との深い関係も指摘されている。日本でカンボジア民主化活動をする露木さんは「銅線泥棒する若者たちは麻薬や違法薬物を買う金欲しさにやる人も多い」という。日本で使う薬を買うためだけではない。彼らはカンボジア国内で薬物の借金を負わされてその金の返済に銅線泥棒を働く人間が多い、というのだ。 別の活動家クン・シュムリさんは「いま、カンボジア国内ではドラック中毒の若者が急増している。10人に5人位は違法薬物に手を出している。子供が薬に手を出しても警察は何もしないので、逆に親が警察にお金を払って刑務所に入れている」という。つまり薬を買う金欲しさに親から金を盗んだり、犯罪に走ったり、家族に暴力を振るうので、親が金を払ってまでして捕まえさせる、というのだ。しかし、せっかく入れた刑務所内でも薬が自由に流通し、そのお金の請求がまた親元に来る、という。まさに借金漬けの悪循環だ。 ドラック地獄を仕組んでる闇社会の人物 このカンボジア「ドラッグ地獄」を仕組んでいるのがフン・センの親族と言われる「F・T」だ。フンセンの甥っ子、とも愛人の息子、とも言われる彼はオーストラリアなど各国から国際指名手配も受けたカンボジア闇社会の大物として知られている。数々の犯罪の元締めとも言われ、今年、元カンボジア野党議員をバンコクで暗殺した殺し屋も彼の配下と噂されている。現場の監視カメラに関係者がはっきり映っていたからだ。彼は中華マフィアはもちろん、カンボジアで生息する元関東連合などの反社グループたちとも深く関係している。カンボジアの日本人犯罪グループたちはオンライン詐欺だけではなく当然、ドラッグや売春などの犯罪にも手を染めているからだ。カンボジアではドラッグや売春などの闇商売はすべて「F・T」と繋がってないと誰も手だしできない。 日本の暴力団N会幹部で風俗業界では有名な人物Xも進出し、日本式のソープランドや売春カラオケなども多数経営している。そこではドラッグの売買も行っているのだ。捕まった元関東連合の富澤哲也が経営していた日本料理屋「K」も彼らが集うドラッグパーティの拠点として有名だった。 ドラッグで借金漬けになったカンボジアの若者が「研修生」として日本に来て、銅線泥棒を犯す。そして彼らがカンボジアに送金する手助けを人民党幹部が行っている、という構図が浮かび上がってくる。そして彼らをドラッグ漬け、借金漬けにして日本に送り込むのが、カンボジア政府関係者やフン・セン一族、カンボジアに進出した日本の暴力団や反社グループたちという訳なのだ。 近年、「トクリュウ」という言葉が一般化するように、通信ネットワークや金融の多様化、効率化、移動速度の進化で犯罪形態はどんどんと進化し、国際化している。残念ながら元関東連合の反社グループたちは、国際化に取り残された日本企業より、現地に同化しそれに十分対応している、とも言えるだろう。 研修生制度に仕組まれている仕掛け さらに驚くことにカンボジアから日本へ研修生を送り込む組織もすべて、フン・セン一族が管理した大元締めの会社の傘下でないと営業できない許認可制となっている。その傘下のひとつが、拙稿・「見立真一も合流か…「犯罪者の天国」カンボジアに群がる日本裏社会の住人ら…その腐敗の限りを尽くした闇底」で紹介した有名な悪徳警官「チャン(仮名)」が経営する日本語学校と研修生派遣会社なのだ。ドラッグでの逮捕歴や中毒歴があっても平気で日本に送り込む事ができるのも当然だろう。 そして、さらにこの怪しい研修生制度には巧妙な仕掛けがさらに組まれている。最近、シンガポールでカンボジア語が全く話せない、カンボジア国籍のパスポートを持った人間9人が逮捕された。彼らもやはり怪しい派遣会社から派遣された人間たちだ。シンガポール警察は彼らが「実際には中国人だった」と発表している。カンボジア政府が絡んだ派遣会社はどうやら、あえて怪しい人物も日本や各国に送り出しているようなのだ。 「日本や各国で難民申請をさせて、その後借金漬けの彼らが銅線泥棒など犯罪しやすい環境を作り、捕まって入管などの審査をより厳しくさせ、実際の民主活動家たちが逆に難民申請しにくくなり、送還されやすいようにしている」とカンボジアで野党「キャンドルライト党」幹部として政治活動していて、日本に逃れてきたタ・サウオンさんやソム・ソチェットさん、そして露木さんは証言する。そして敢えてそういった送還された人間たちはカンボジアに送還後は逮捕しないが、実際の活動家たちは送還されると水面下で監視され、ある程度時間が経ってから隠れて逮捕される。なかなか巧妙な手口だ。 日本テレビ「月曜から夜ふかし」で「中国人はカラスを食べるのでカラスがいない」という偽情報を放送しBPO審議入りした。ある程度海外に行った経験のある人間なら信じがたい話だが、この程度の話を信じる人間がいまだ日本には多く存在し視聴率が獲れるから平気でやるのだ。この国際感覚のギャップは大きい。移民問題、オーバーツーリズム問題、外国人犯罪の増加、・・・。軽率な「ゼノフォピア(外人嫌い)」の延長ではますます「複雑に国際化する日本社会」には対応できない。また、お花畑的発想の単純な博愛主義は論外だろう。インバウンドや外国資本に頼る経済環境が進めば、日本は無気力な「ストックホルム症候群」状態に陥るかもしれない。犯罪だけが先行して国際化する日本社会。危険水域はもうすぐ近くに来ているのは間違いないのだ。 (本稿へのご意見・情報はinfo.jojiymail.comまで) 緊急警告!日本をなめたカンボジア・フンセンの挑発が…「トクリュウ」ら日本のオンライン詐欺や犯罪グループがひしめくカンボジアのヤバすぎる実態