石破茂首相は２１日に開かれた参議院の集中審議に出席。トランプ政権との関税交渉協議に関し、与野党議員から質問を受けた。 自民党の宮本周司参院議員に続いて質問に立った立憲民主党の徳永エリ参院議員は、訪米した赤沢亮正経済再生担当相が米側との交渉席に突然、トランプ氏が自身のＳＮＳで出席を表明したことに触れた。 石破首相は徳永氏から「政府の中で想定したことか、まったく想定していなかったのか」と聞かれ「世の中、何が起こっても不思議ではない。私も４０年この仕事をしていますが、このような例は見たことがないということでございます。牛肉やオレンジの（貿易交渉）の頃から知っておりますが、大統領自ら最初に出てくるのを私は見たことがございません」とトランプ氏登場が予想外だったことを認めた。 その上で「だからどうにもならん、ということではなくてですね、農業や安全保障はどうなんだということでございますが、赤沢大臣はきちんと対応できるということだった。『想定外のことですからどうにもなりません』というようなことではございません」と強調した。 徳永氏は２０１９年に安倍晋三元首相とトランプ氏が締結した日米貿易協定についても質問。同協定では「協定が誠実に履行されている間は、日本の自動車部品に対して追加関税は課さない」という内容で合意していた。 これに石破首相は「私どもとして日米貿易協定との整合性は、これから先もきちんと（米国側に）指摘してまいります。それを白紙にするとか、なかったことにするとか、そういうことはまったく考えていません。整合性について大きな問題意識を持っておると、ということはこれから先も常に主張していかねばならないと考えております」と答弁した。
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