67年前、東京都立の産院で別の赤ちゃんと取り違えられた男性が、生みの親を特定する調査などを東京都に求めた裁判で、東京地裁は、東京都側に調査を命じる判決を言い渡しました。 江蔵智さんは、1958年、墨田区にあった都立の産院で生まれた直後に別の赤ちゃんと取り違えられたとして都を提訴し、取り違えを認めた判決がすでに確定しています。 しかし、都からプライバシーなどを理由に生みの親捜しへの協力を得られなかったとして、江蔵さんは生みの親を特定する調査などを求めて、4年前、再び都を提訴しました。 東京地裁は21日の判決で、「出自を知ることは憲法が保障する法的利益といえる」としたうえで、「親子の関係性の根幹に関わる問題で、出産医療機関は取り違えが発覚した時点で、できる限りの対応をとるべき義務がある」として、都に対し調査するよう命じました。 江蔵智さん（67） 「両親の顔が見たい、きょうだいがいるなら会いたいと思ってましたので、すぐにでも東京都には調査をお願いしたいと思います」 江蔵さんは、都に控訴しないよう申し入れる予定だということです。
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