初潮は女の子の成長段階の一つだが、本人としては、体や心の変化を受け止めるのに戸惑いがあるかもしれない。 　いつ迎えてもあわてないように、親や子どもはどんな準備をしたらいいだろうか。専門家に聞いた。（金来ひろみ） 小さい時から話し、気軽に相談できる雰囲気を 　東京都の会社員女性（４２）は、１０歳の長女がまだ初潮を迎えていないが、「どのタイミングで生理について話そうか」と悩んでいる。 　初潮を迎える年齢には個人差がある。内閣府の資料などによると、平均１２歳で、１０〜１４歳頃が多い。 　性に関する知識を教材やワークショップ、学校の授業で楽しく伝える活動を行っている医師夫婦ユニット「アクロストン」のみさとさんによると、初潮を迎える前の小学３年頃までに少しずつ生理の仕組みや生理用品の使い方を話しておくとよい。「母親の生理の時などに話してみては」とみさとさん。使い方では実際に生理用品を用意し、親子でナプキンをサニタリーショーツにあててみる。捨て方なども伝える。 　小さい頃から生理などについて話し、日頃から気軽に相談できる雰囲気を家庭で作っておきたい。 　１０歳を過ぎたら、替えの下着やナプキンをランドセルの中に入れておく。大切なのは、生理が来て困った時に一人で悩まず、大人を頼るよう教えることだ。学校にいる時だったら、保健室に行って養護教諭に相談するようにする。 　初潮を迎えたら、ナプキンの使い方や家庭での捨て方などを改めて確認する。子どもは初めての生理に戸惑い、不安を感じることもあるので、親が勝手に祝うことは避け、「心配しなくていいからね」「つらい時には無理しないでね」などと声をかけながら、寄り添うことが大切だ。 　また、一般的に子どもは母親に生理の相談をする場合が多いが、母親が留守の時に生理になることもあり、父親も把握しておくとよい。ただ、子どもの生理が始まったことを母親が父親に伝えるのは、子どもの了承を得てからにするのが望ましい。 　父子家庭では、性教育の絵本を使って説明したり、周囲の女性から話してもらったりするとよい。 　「親自身も生理用品に関する知識の更新が必要です」と話すのは、「ユニ・チャーム」で生理用品のマーケティングを担当する下園未来さん。周期や経血量が安定しなかったり、腹痛を伴ったりすることもあり、様々なナプキンなどを知っておくと対応しやすいためだ。 　吸水力がある大きいもの、薄くて目立たないものなど選択肢が広がっており、「激しい運動をしてもずれにくいもの、通常のものよりもさっと換えられてトイレに流せるものもある。親が知識を持っていると、子どもも安心する」と語る。また、生理の周期管理を親子でできるアプリも体調の変化を把握しやすく便利という。