ロシアのプーチン大統領は１９日、ウクライナ侵略をめぐり、２０日のキリスト教の復活祭（イースター）に合わせて、一時停戦すると一方的に宣言した。 　ロシア軍に対し１９日午後６時（日本時間２０日午前０時）から２１日午前０時（同２１日午前６時）までの３０時間、軍事行動を停止するよう命じた。トランプ米政権が停戦交渉の停滞に不満を募らせる中、対話継続の意思を示す狙いもあるとみられる。 　露大統領府は１９日、プーチン氏がクレムリンで露軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長と面会した動画を公表した。プーチン氏は「人道的配慮」を理由に、イースター停戦を行うと宣言し、「ウクライナ側も我々の例にならうものと期待する」と語った。ウクライナのアンドリー・シビハ外相は１９日、Ｘ（旧ツイッター）で「プーチン（露大統領）の言葉は信用できないし、言葉ではなく行動を見ていく」との立場を示した。 　プーチン氏はさらに「ウクライナ危機の根本原因の除去を目指す和平交渉」について「我々は常に準備できている」と強調した。トランプ大統領らの名前を挙げ、「平和的な解決を支持するすべての人の願いを歓迎する」とも語った。 　ロシアとウクライナ両政府は１９日、それぞれ２４０人超の捕虜交換を実施したと発表した。 　露側は２０２３年１月にもロシア正教のクリスマスに合わせて３６時間の一時停戦を一方的に宣言。この際は露軍の攻撃が続いてウクライナ側も反発し、停戦は事実上履行されなかった。 　ゲラシモフ氏はプーチン氏に対し、ウクライナ軍が越境攻撃を仕掛けた露西部クルスク州について、一時制圧された露領のうち露軍が９９・５％を奪還し、軍事行動が継続しているのは２集落のみだと報告した。 　これに先立ち、トランプ氏は１８日、ロシアのウクライナ侵略の和平交渉に関し、「何らかの理由でどちらかの当事者が（合意を）非常に困難にするなら、『あなたたちは愚かだ』と言って、我々はただ手を引くだけだ」と述べ、仲介をやめる可能性に言及した。 　ホワイトハウスで記者団に語った。「そうする必要がないことを願っている」と述べ、引き続き合意を目指す考えも強調していた。