高速代が安くなるのに…「ETC 2.0」なぜ普及せず? 「普通のETC」より“良いこと”たくさん! それでもメリットを感じない人が多い意外な理由とは?

「ETC 2.0」って何がイイ?  高速道路の料金所を通過できるシステムとして2001年から「ETC」が導入され、近年では通行するクルマの9割以上が同システムを利用しています。    車載機にETCカードを挿入して、ETCゲートを通過するだけで通行料金が支払えるETCは便利なものですが、次世代バージョンとして「ETC 2.0」も運用が開始されています。 「ETC2.0」ってどうなの?  国土交通省が発表する「ETC利用状況」によると、2023年12月時点でETC普及台数が812万台なのに対し、ETC 2.0の利用台数は281万台。ETC 2.0は広く普及しているとはいえない状況です。 【画像】「えぇぇ…!」これが「2030年に使えなくなる」ETC車載器の見分け方です!(15枚)  ETC 2.0の利用者はまだ少ないようですが、なぜ導入が進まないのでしょうか。  従来のETCとETC 2.0の違いは、ETC 2.0で通行料金が支払える機能に加えて、車両と道路の双方向通信による多彩な運転支援が可能なところにあります。  ETC 2.0はクルマの位置情報や経路情報を収集し、急ブレーキを踏んだ箇所や走行速度などの情報から危険な箇所を抽出。収集したデータは「車両運行管理支援サービス」として企業向けに情報提供され、効率的に交通安全への対策を立てることができます。  物流業界では運送車両にETC 2.0を導入することでこの機能を活用。道路状況の把握や車両の到着予定時間の算出に利用するなど、業務の効率化に役立てています。  また災害時には、被災地の走行実績をもとに通行できる道路を割り出すことできるので、避難経路の選定や救援活動といったことにも活用されています。  さまざまな機能を持たせたETC 2.0ですが、普及しない理由のひとつとして、一般ドライバーが恩恵を感じる場面が少ないということがあるでしょう。  前述のように、高速道路を頻繁に利用する物流業界や運送業界の人にとって、道路情報を把握できる機能は便利なものですが、一方で、休日のレジャーや外出などでしか高速道路を利用しない人は「普通のETCで十分」と考えるでしょう。  ETC 2.0には一般ドライバー向けのメリットも存在しており、圏央道(新湘南バイパスを含む)や東海環状道の特定区間では、従来のETCよりも割引率が高くなり、その区間を通行する機会が多い人は通行料金が安く済みます。  また、位置情報による運転支援機能では、合流地点や急カーブ、事故多発エリアなどを通知してくれるので、安全に運転することが可能になります。  さらに、リアルタイムで交通情報を把握することもでき、ETC 2.0と連動するカーナビを設置していれば、渋滞情報をもとに迂回ルートを検討するといったことも簡単におこなえます。  ほかにも、高速道路を一度降りることも可能。インターチェンジ付近の「道の駅」に立ちることができ、降りてから2時間以内に同じインターチェンジから入れば、降りずに走行したのと同じ通行料金が精算されます。  このように、一般ドライバー向けのメリットもあるのですが、もちろんデメリットがあります。  まず、ETC 2.0を利用するには専用の車載器が必要となります。  すでにETC車載器がクルマに設置されている場合は交換することになりますし、新車購入時にETC 2.0対応の車載器を導入するにしても、高度な機能が盛り込まれている分、通常のETC車載器よりも価格が高く設定されているのです。  目安として、通常のETCが1万円〜1万5000円に対し、ETC 2.0は2万円〜5万円。取付工賃が別途発生する場合もあり、割高感が否めません。  導入にかかるプラスの費用は通行料金の割引分で相殺できるかもしれませんが、割引を受けられるのは、現時点で圏央道(新湘南バイパスを含む)と東海環状道の特定区間のみとなっており、エリア外の利用者にはメリットとなり得ないというわけです。  道路情報の提供については、現在はスマートフォンが普及しており、ETC 2.0がなくてもさまざまな情報を手軽に調べることが可能です。  ETC 2.0が持つ高度な機能は魅力的ではあるものの、メリットが限定的となっているため、なかなか普及が進まないという現状があります。  割引区間を増やしたり、専用の車載器の価格を下げるなど、より多くの人がメリットを受けられる施策が必要かもしれません。

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