【エリザベス女王杯】サリエラに託された2つの歴史的大記録 国枝師「こういう記録に挑めるのは光栄」

 サリエラのエリザベス女王杯には2つの偉大な記録が懸かっている。国枝師の牝馬限定G1完全制覇と、ディープインパクト産駒のJRA・G1単独最多勝利。どちらも残り少ないチャンスだけに、その走りに注目が集まる。  3冠牝馬アーモンドアイ、アパパネなどあまたの名牝を手がけた国枝師。調教師として史上初となる牝馬限定G1完全制覇に王手をかけており、あとはアパパネが10、11年に3着だった本レースを残すのみだ。26年2月に引退を迎える名伯楽に残されたチャンスは今年を含めて2回のみ。今年はエリカヴィータとの2頭出しで偉業達成に挑む。師は「(マスコミが)話題に困るだろうから残しておこうか?」とうそぶきつつ「こういう記録に挑めるのは光栄なこと」と意気込んでいた。  ディープインパクト産駒は現在JRAのG1・71勝。歴史的種牡馬でディープの父でもあるサンデーサイレンスと首位に並んでいる。同産駒は現4歳がラストクロップ。その血脈には初コンビを組むムーアも期待を寄せる。ジャパンCでは英愛ダービーなどG1・6勝の同産駒オーギュストロダンとコンビを組む世界的名手は7日に美浦を訪れ、「血統表を見てディープインパクトの血さえ入っていれば、どんなレースでもチャンスがあると思える。ここまでもとんでもない結果を残しているし、ディープのおかげで今の生産界が成り立っている」と賛辞を並べた。  今週から有馬記念当日(12月22日)まで日本で騎乗予定のムーアはすでにサリエラをチェック済み。「ここ2戦よりステップアップする必要はあるが、コースや2200メートル、スタミナも問題はない」ときっぱり。サリエラが名手に導かれて昨年(6着)のリベンジを果たせば、歴史的な大記録が同時に誕生する。

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