いわゆる“ルフィ事件”の実行役で、死刑判決を望んでいた永田陸人被告（23）に対し、裁判所が下した判断は無期懲役でした。 【画像】「バカだから」闇バイトに応募…“ルフィ事件”実行役リーダー格に無期懲役 「ルフィ」や「キム」などと名乗る指示役が暗躍した一連の広域強盗事件。東京・狛江市の事件で、永田被告は90歳の女性をバールで殴るよう指示して死亡させ、高級腕時計を奪った罪などに問われています。実行役のリーダー格でした。 そのほかに5つの事件で起訴されていて、広島では…。 永田陸人被告（被告人質問から）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「モンキーレンチで後頭部をめがけて思い切りフルスイングした。その反動でレンチは後ろに飛んで行った」 殴られた男性は生涯、介護が必要で意思の疎通も困難な状態です。 7日の判決で、裁判長は…。 菅原暁裁判長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「暴行を自ら行い、また主導している点のみでも、実行役の中で被告の責任が際立って重い」 狛江市の強盗致死事件については…。 菅原暁裁判長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「『娘や息子を殺す』『家燃やすぞ』などと脅して暴行を加えた犯行は、拷問ともいうべき執拗で極めて残忍なもの」 そもそも永田被告は初公判から起訴内容を認めています。そして、求刑を上回る死刑判決を望んできました。判決を前に、5日に接見した時は、本人いわく「体調はめちゃめちゃいいです」と時折、笑顔を見せながら会話に応じました。 永田陸人被告　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「闇バイトに応募したことは死ぬほど後悔していますよ。当時は犯罪のことしか考えていなかった。たばこを吸うように犯罪をしていたので。（Q.なぜ応募したのですか）バカだからです。プライドの高さ、虚栄心、人に頼れない。一般の人に言ってもね、犯罪者の心理は犯罪者しか分からない」 7日は裁判長が指示役について言及した場面もありました。 菅原暁裁判長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「実行役を募るにあたっては、女性や子どもを殴ることができるか、バールで人を殴ることができるか確認したうえ、殴ったり蹴ったりしなければ『報酬は支払わない』旨伝えるなど、躊躇なく暴行を加えるよう指示が徹底されていた」 その指示役として起訴された男らは、まだ裁判の日程も決まっていません。永田被告との接見で「指示役にだまされたのでは」と聞くと…。 永田陸人被告　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「頭が悪いからだまされた。『脅された』と他の人は言うけれど、自分で決めたんだろと。指示役のキムさんは本当に頭が良い。周りにいる人間も頭が本当に良いんですよね」 裁判長は最後に…。 菅原暁裁判長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「裁判所と裁判員で考えたことを追加で話します。本件は被害者と家族に償いようのない損失を与えた犯罪で、決して許されるものではありません。あなたがこの法廷で述べたように謝罪の気持ちがあるのなら、この重大な結果を忘れることなく、罪の深さ、償いとして何をすべきか、刑に服している間ずっと考え続けてほしい」