1000万円級のプジョー205 GTiが「レストモッド疲れ」を癒やしてくれた 英国記者の視点

大切なのはオリジナルのスピリット 筆者が初めてプジョー205を目にしたのは、4歳になるかならないかの頃だった。アルパインホワイトの1.9L GTiだった。 【画像】80年代を代表するプジョーが現代に復活【トールマン・エディション205 GTiを写真で見る】 全25枚 当時から、これは特別なクルマだと感じていた。ピニンファリーナがデザインしたシャープなラインは、筆者の脳裏に焼き付き、ホットハッチに夢中になるきっかけとなった。 トールマン・エディション205 GTi AUTOCAR 筆者はこのクルマで学校に送迎してもらった。20年経った今でも、家族の一員として大切にされているが、現在はカバーに覆われ、ひどい状態にある。 しかし、205は見た目も良く、運転していて楽しいクルマだったが、同時に飼い慣らすのが難しいホットハッチでもあった。それだけでなく、さまざまなエンジントラブルにも悩まされる1台だった(どうしてそれを知っているのかは、言わずもがなだろう)。 だからこそ、英国ウォリックシャーの企業、トールマン・エンジニアリング(Tolman Engineering)が、プジョーの80年代を代表するホットハッチを本来あるべき姿に作り直し、改良し、微調整したと聞いて、どれほど歓喜したことか。 『トールマン・エディション205 GTi』は、一見するとレストモッドだが、多くの点でその定義に当てはまらない。レストモッド業者の多くは、オリジナルのクルマとはかけ離れた、途方もなく高価で非常に限定的なコレクターズアイテムの製作に固執しているように見える。 しかし、たとえ現代のテクノロジーを随所に取り入れたクラシックカーであっても、筆者はオリジナルのスピリットを守ってほしいと願っている。トールマンの205はまさにそれを実現してくれたのだ。 2023年にAUTOCAR英国編集部が試乗した際、トールマンGTiは公道とサーキットの両方で魅力的な走りを見せ、記者たちの心を掴んだ。 改良されたエンジンと巧みなディファレンシャルにより、コースを走るのは同時期に試したランボルギーニ・ウラカン・ステラートと同じくらい楽しかった。 筆者が気に入っているのは、新旧のバランスだ。インストゥルメントクラスターは一見、オリジナルのヴェリア製のものに思えてしまうが、実際にはデジタルで再現されたもので、走行モードを「スポーツ」に切り替えるとT16風のメーターに切り替わる。実によくできている。 これが、愛好家がレストモッドに求める細部へのこだわりである。これほどまでに高性能で、現代的に改良されたマシンの価格は、果たしておいくらなのだろうか? 結論を言うと、6万ポンド(約1135万円)、フル装備のモデルではその2倍だ。 確かに高価ではあるが、天文学的な価格というわけではない。このクルマはかつて英国GT選手権で自らチームを運営していた会社が作り上げたものであり、同社は歴史的なレーシングカーのレストアで高い評価を得ている。 トールマンはロータスのレストアも手がけており、サンビーム・ロータスの改造版や、最近ではフォード・エスコートXR3iも製作している。 トールマンは明らかにレストア業界で存在感を示そうとしており、その野心的な姿勢は正当なものだ。 「もうあんなクルマは出てこない」と嘆く必要はもはやない。なぜなら、トールマンが作っているからだ。実際、さらに優れたクルマが生まれている。

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