人のiPS細胞から「ミニ肝臓」、大阪大などのチーム作成…「人工の肝臓による治療に現実味」

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から小さな肝細胞の塊「ミニ肝臓」を作ることに成功したと、大阪大などの研究チームが17日、発表した。  肝臓が持つ肝機能を備え、長さ5ミリ程度のミニ肝臓を肝不全のラットに移植する実験では生存率が向上した。新たな治療法の開発につながる可能性があるという。論文が科学誌ネイチャーに掲載された。  肝臓は、肝細胞が多様な働きをし、栄養分の貯蔵や解毒など様々な役割を担っている。  阪大の武部貴則教授(再生医学)らのチームは、人のiPS細胞から、糖を分解する働きがある肝細胞など役割の異なる複数の肝細胞を混ぜ合わせ、塊になるよう培養し、ミニ肝臓を作製した。  これを肝不全のラットに移植すると、約2割だった30日後の生存率が約5割に向上した。同様に1種類の肝細胞からミニ肝臓を作って移植した場合は、生存率は2〜3割程度だった。チームは、肝細胞を混ぜ合わせることで、より実物に近い肝機能を再現したとみている。  武部教授は「人工の肝臓による治療が現実味を帯びてきた。2〜3年で臨床応用に進める手応えを感じている」と話した。  谷口英樹・東京大教授(再生医学)の話「複数種類の肝細胞を作り分けた上で塊にした重要な成果だ。肝細胞がどれくらいの期間、機能を維持できるかなど解明すべき点は多い」

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