東京電力は１７日、福島第一原子力発電所２号機で溶け落ちた核燃料（デブリ）を爪状の器具でつかむことに成功した。 １５日に始まった２回目の試験的取り出しでは、１回目とは異なる原子炉格納容器の中心付近にあるデブリを狙っていた。東電は１８日以降、数日間かけて原子炉の外に回収する。 東電はこの日、原子炉格納容器内に挿入した「釣りざお式装置」（長さ最大２２メートル）の先からケーブルを垂らし、先端の爪状器具を遠隔操作して、格納容器底部でデブリをつかんだ。小石状のデブリで、大きさは７ミリ以下という。爪状器具を装置の先まで引き上げるなどして作業は終了した。 東電は昨年１１月、２０１１年の福島第一原発事故後初めて、デブリ（大きさ約９ミリ、重さ約０・７グラム）を採取した。デブリは、場所によって混入している物質が異なり、成分や硬さに違いが生じるとされる。東電は今回、釣りざお式装置を入れる長さや角度を変えることで、１回目より１〜２メートル先の地点のデブリを採取した。二つのデブリを比較分析し、炉内の状況把握や今後の取り出し工法の検討などに役立てる。 福島第一原発事故では１〜３号機で炉心溶融（メルトダウン）が起き、推計約８８０トンのデブリが発生した。強い放射線を放つデブリの取り出しは廃炉の最難関とされる。
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