さいたま市のマンションで15歳の女子高校生が殺害された事件で、現場周辺の防犯カメラから、逮捕された男が偶然、女子高校生を見かけ犯行に及んだとみられることがわかりました。 　　　◇ 事件から4日目。献花台には色とりどりの花が手向けられ、お菓子やジュースが置かれていました。 14日の夜、さいたま市のマンションで発生した殺人事件。住人の手柄玲奈さん（15）が刃物で刺され死亡しました。この春、高校生になったばかりでした。 殺人の疑いで逮捕されたのは、24歳の谷内寛幸容疑者。手柄さんとの接点は依然としてわかっていませんが、警察の捜査でわかってきたのは、“事件の計画性”です。 現場から500メートルほどにある建設会社で働き、併設の寮で暮らしていた谷内容疑者。その寮からは、警察は容疑者のものとみられるスマートフォンに加え、1本の包丁を押収したということです。警察によると、使われたような形跡はないといいます。 現場付近で見つかっている血のついた包丁と似たようなものだということです。 勤務先の社長は…。 谷内容疑者の勤務先社長 「包丁とナイフの間ぐらいの刃物が出た。柄があって刃先はこれぐらい」 谷内容疑者の部屋には、つい最近“変化”があったといいます。 谷内容疑者の勤務先社長 「2週間ぐらい前から部屋に鍵をつけるように、暗証番号つきの。そのころから部屋の中を見られたくない意識があって鍵をつけたのかもしれない。ダイヤル錠」 警察は、部屋にキッチンがないことなどから、谷内容疑者が事前に刃物を準備していた可能性もあるとみて調べています。 ただ、襲われたのが手柄さんだったことについては、“偶然”だった可能性が浮上しています。 手柄さんは市内の飲食店を知人と訪れ、その後、帰宅したところを襲われました。 一方の谷内容疑者。勤務先の社長によると、事件当日の動きは次のようになります。昼すぎには帰宅し、午後5時ごろには社長と会話。“普段と変わらない様子”だったといいます。その後、午後6時半ごろには外出。これは、事件発生の1時間半前です。 その時間以降、谷内容疑者に似た男が現場周辺を徘徊（はいかい）していたことが、捜査関係者への取材で新たに明らかになりました。 範囲は、現場から約“半径1キロ圏内”。警察は、谷内容疑者が襲う相手を探していた可能性もあるとみています。 事件前にいた飲食店から、徒歩で帰宅していた手柄さん。現場周辺の複数の防犯カメラでは、事件前の手柄さんとみられる女性が確認されています。 同じ時間帯に谷内容疑者とみられる男も確認されていますが、2人が同じ場所にいたことは確認できていません。 しかし、捜査関係者によると、現場となったマンションのエントランスにある防犯カメラには、帰宅した手柄さん、その直後、谷内容疑者。2人が映り込んでいたということです。 警察は、谷内容疑者が偶然見かけた手柄さんに、短時間で犯行に及んだとみて捜査しています。