日本の命運を懸けた交渉に想定外のサプライズです。関税を巡る閣僚間の日米交渉が行われましたが、これに先立ち、赤沢亮正経済再生担当大臣がトランプ大統領と会談しました。 【画像】納得の交渉結果になる? 政府高官「首相が来週訪米なんてことにも…」 ■トランプ大統領が突然参加「大変ありがたい」赤沢経済再生担当大臣 「(Q.トランプ大統領が出席を表明されましたが?)大変ありがたいと思っています」 16日夜に突然、交渉に自らも参加すると宣言したトランプ大統領。 トランプ大統領 SNS 「わたしは財務長官と商務長官とともに会議に出席するつもりです。日米双方にとって、良い解決策が見つかることを願っています」赤沢経済再生担当大臣 「(Q.大統領自らの登場はどう考えている?)大変ありがたいことだなと。日本を非常に重要視して下さっていると思います」 会談場所も、アメリカ財務省からホワイトハウスに移される異例の事態です。 石破茂総理大臣は、16日夜に急きょ林芳正官房長官らを総理公邸に呼び、対策に追われました。ワシントンに到着した直後の赤沢経済再生担当大臣も電話で参加しました。 林官房長官 「総理も交えて、新たな状況に対する準備をしたので、赤沢大臣ともコミュニケーションは取れていると思っている」■「軍事支援費」も協議かトランプ大統領 SNS 「日本の代表が、関税・軍事支援費用、そして『貿易の公平性』について交渉にやってきます」 交渉のメインは「自動車関税」だとみられていましたが、在日アメリカ軍の費用負担増額を要求される可能性もあります。軍事に話が及ぶと、交渉は複雑になることは避けられません。 朝日新聞によると、防衛省幹部はトランプ大統領が「軍事支援の費用」を持ち出したことについて「初耳だ、何も準備はしていない」と驚きを隠せなかったといいます。 外務省幹部(朝日新聞から) 「通常の儀礼であれば、トランプ氏が赤沢大臣と交渉するなんてありえない。日本からせっかく来たから顔を出す程度であればよいのだが、どういうことになるのか、まったく分からない」 この点について、問われた赤沢経済再生担当大臣は…。 赤沢経済再生担当大臣 「(Q.在日米軍の経費も話したいと表明しているが?)交渉事なので、相手が関心を持って話されたことは、しっかり耳を傾けさせていただきたい」 初めての交渉に加え、トランプ大統領との対峙(たいじ)。無理難題をふっかけられても赤沢経済再生担当大臣は反論することも難しい構図です。 ■ホワイトハウス「ボールは中国側にある」 一方、すでにアメリカと関税の“報復合戦”を行っている中国。トランプ政権に対抗する動きを強めています。 トランプ関税への批判を強めるなか、習近平国家主席の姿はマレーシアにありました。 マレーシアや、訪問予定のカンボジアといった中国が貿易相手国として重視するASEAN加盟国と連携を進め、トランプ関税に対抗する思惑があるとみられます。 中国統計局 盛来運副局長 「我々は外部の試練に対応し、規定の発展目標を実現できる能力と自信があります」 その中国はGDP=国内総生産の成長率がプラス5.4%と、政府が目標とする5%前後を達成しています。 中国の国家統計局によると、1月〜3月は前年同時期と比べ、工業生産の伸びが6.5%、サービス業が5.3%、消費が4.6%のプラスとなりました。輸出についても、トランプ関税の影響を避けるため“駆け込み需要”で6.9%と伸びをみせていますが、今後は不透明です。 ホワイトハウスのレビット報道官は、このように述べました。 レビット報道官 「ボールは中国側にあります。交渉を必要としているのは中国で、アメリカではありません」 アメリカの消費者を必要としているのは中国側だと強気の姿勢。習主席との電話会談や二国間交渉については、一切明らかになっていません。 赤沢経済再生担当大臣は、国益を損なわず双方が納得できる交渉結果を持ち帰ることができるのでしょうか。 政府高官(朝日新聞から) 「赤沢さんに要求したことの回答を持って来いと、トランプ氏が首相に求めることもありえる。首相が来週訪米なんてことにもなりかねない」 (「グッド!モーニング」2025年4月17日放送分より)