広末涼子「ステージの様子を見て、ヤバいと…」「異様なテンションと目の動き」逮捕前に現れていた「異変」

「自称・広末涼子」というワードが目に飛び込んできた。えっ! 4月8日午前のことである。自称・広末涼子が逮捕されたというニュース速報だった。そんな……ああ、そうか、どうせ似ても似つかない頭のおかしなオバチャンが広末涼子を自称して何かやらかしたんだろう、そう納得した。 しかし、時間を経ると「自称」が取れて、どうやら本物の広末涼子が逮捕されたと判明した。衝撃が広がってゆく。高速道路で自らが運転する車が追突事故を起こした。搬送先の病院で看護師を蹴るなどして傷害容疑で現行犯逮捕されたというのだ。耳を疑った。かつて国民的アイドルと称されて大人気だったあのヒロスエが、まさか「容疑者」と呼ばれる日が来るとは。信じられない。 直前に現れていた異変 今年の3月末、真っ赤なモコモコの衣装の広末が、台湾でのフェスのステージに立ち「大好きー、タイワーン!!」と絶叫する映像を見た。 あっ、これはヤバい!と、私は顔面蒼白になる。その異様なテンション、狂気を帯びた表情、尋常ではない目の動き、あまりにもエキセントリックなその様子……。 とっさに私は二十余年前の彼女の「奇行」を想起していた。広末には特徴的な行動パターンがある。スキャンダルで窮地に追い込まれたとき、自粛や自制をしない。一発大逆転を狙って、エイヤっと、がむしゃらにがんばってしまうのだ。 かつてはフランスだったが、今回は台湾である。日本的な良識の重力を脱して、異国の地ではるか魂の飛翔、跳躍へと身をゆだねる(中学時代の彼女は高知県内でトップクラスのハイジャンプの選手だった!)。 異様なハイの状態になった彼女が、帰国する。いわば大気圏外から帰還して、日本的な重力の内へと着地した時、その後、いったいどうなってしまうのか……。 2度目の夫が残した意味深な言葉 奇跡的な復活を果たした女優・広末涼子は、2年前のカリスマシェフとのW不倫が発覚して、すべてを失った。CMもレギュラーも幾多の仕事も降板、2度目の離婚、長年在籍した芸能事務所も退所している。彼女はまた窮地に追い込まれた。 しかし、前回のフランスと今回の台湾のあいだには、二十余年もの時がある。その間、どうして彼女のマグマは静まっていたのか? そうだ。2度目の夫、キャンドルアーティストのパートナーである。いわば彼のキャンドル「セラピー」、悪魔祓い(エクソシスト)の儀式によって、広末の内なるデーモンは鎮められていたのだろう。 広末涼子の内には、2つの人格がある。ふだんは誠実で貞淑な良き妻であり、母だ。それが突然、人が変わったように濃い化粧をし、夜も眠らず、電話し、外出をして、書き物に熱中する(その内実は、カリスマシェフとの不倫交換日記の暴露された異様な文面として、世を驚愕させた)。 離婚会見で涙ながらに明かした元夫の言葉の数々が、今となってはすとんと腹に落ち、きわめて説得的に響く。 「2年に1度、彼女はおかしくなる」と彼は言った。なるほど、それからジャスト“2年後”の今回の事件なのである。 フジテレビとの奇妙な邂逅も…W不倫からの壮絶な転落劇 その後に伝えられた報道をもとに、事件へと至るプロセスをトレースしてみよう。 W不倫のツケは大きかった。もう、CMにもテレビドラマにも出られない。ずっと守ってくれた事務所のスタッフもいない。 いや、それでも……自分は広末涼子なのだ。きっとうまく行く。がむしゃらにやれることをやろう。個人事務所を立ち上げよう。ファンクラブも設立する。歌手活動の再開だ、ライブもやった。台湾では、空港に集まったファンからキャーという声援を浴びる。昔みたいだ。大丈夫、今も自分は人気アイドルなんだ……。 異様なテンションでステージを終え、帰国。2年ぶりにテレビ出演の依頼が届く。しかもゴールデンタイムだ。「広末涼子、復活!」をアピールする絶好のチャンス。現在の日常生活を密着取材させた。スーパーでの買い物のシーン。次から次へと食料品をカゴに入れ、早足で進む。「後戻りしない」という自分のルールを明かす。 <これまでの人生も振り返らず走ってきた>とテロップが出た。 それは……フジテレビの番組だった。例の不祥事によってCMが流れない。スポンサーがいないのだ。よってスポンサーからクレームがつくこともなく、スキャンダル女優がキャスティングされたのか?(最近、志村けんのバカ殿様シリーズの回顧特番で、田代まさしの出演場面がカットされず話題となった) 思えば、ドラマ初出演の『ハートにS』から『木曜の怪談』『ロングバケーション』『ビーチボーイズ』と、フジテレビのドラマによって彼女はブレイクした。そのフジと広末が今、奇妙な再会を果たしている……。 久々に映画に出る。主演だ。撮影現場の奈良へ。マネージャーはいない。キャスティング会社の社長の運転する4WDで向かった。大作映画ではない。奈良の観光映画、いわゆるご当地映画である。日本中の地方で撮られていて、最近でも制作陣と出資側のトラブルが大きく報じられたりもした。 ロケはさんざんだった。監督の指示に従わず、大揉めに揉めてしまった。激怒した監督は「やってられるか!俺が辞めてやる!」と吐き捨てたと報じられている。 映画のタイトルは『おんおくり』という。ああ……。『おくりびと』を思い出す。17年前、あの映画はアカデミー賞外国映画賞に輝いたのだ。広末はヒロインとして本場アメリカのオスカーのステージに立った。 それが今、ご当地映画の監督に怒鳴られて、もうダメかもしれない。帰路のサービスエリアで、見知らぬ人に「広末でーす!」と声をかけ回った。 運転を代わって、自分がハンドルを握る。高速道路だ。アクセルを踏んで、ぐんぐん加速してゆく。決して振り返らない。真っすぐに突っ走る人生。トンネルに入った。そして……そうして、激突……。 「あれは、もう広末じゃない」ファンの失望 かつての熱心な広末涼子のファンに電話をかけた。30年前、彼は大学生だった。どんなスキャンダルに見舞われても、ずっと広末を信奉しつづけた。“ヒロスエ命”の男だ。 久しぶりに会話したが、口数が少ない。私が広末の名前を出したからだろう。やっと重い口を開いた。「違う」と彼は言う。 えっ? 「あれは、もう広末じゃない」 そうして、こう言った。 「自称・広末涼子なんだ。あの最初の報道は正しかったんですよ」 私はショックを受けた。これまでいくつものスキャンダルを、彼女は乗り越えてきた。そのつど、不死鳥のように甦った。しかし、今回ばかりは様相が違う。今や傷害事件の“容疑者”なのだ。腰縄で縛られて取り調べを受け、留置場の檻の中へと入れられた。ああ……。 それでも——。 思い出す。27年前、17歳の彼女は私に向かって言ったのだ。 「自分の中で、いっぱいいっぱい“革命”があったんだよね!」 まっすぐな瞳をして。あの時、口にした“革命”は今も彼女の内で生きている、と信じる。 広末涼子の復活を祈念したい。 広末涼子は“キャラ”を演じていただけだった…演劇関係者が語る「モンスターのような一面」

もっと
Recommendations

阿寒湖で「大型マリモ」激減、文化庁が調査へ…本庁の担当課長を異例の現地派遣

国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」が生息する北海道釧路市の阿…

佳子さま石川県の工房「錦山窯」訪問 被災の職人にねぎらい

秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さまは18日、石川県小松市にある九谷焼の…

大谷翔平が“父親リスト”入りで欠場へ 真美子夫人が出産間近のため 3連戦中に戻る可能性も 

ドジャースの大谷翔平(30)が“父親リスト”入りとなり、日本時間19…

大谷翔平が“父親リスト”入りで欠場へ 球団が正式発表 真美子夫人が出産間近に 3連戦中に戻る可能性も

ドジャースの大谷翔平(30)が“父親リスト”入りとなり、日本時間19…

「現金給付はやらない」参院選前には減税の可能性も?政府・与党が打ち出す経済対策の方針と、日米関税交渉の舞台裏「トランプ登場は想定していない」【edge23】

経済対策の行方が注目される中、日米関税交渉にトランプ大統領が異例…

医師1000人に聞いた熱中症対策 水分補給だけじゃない!熱中症予防のカギは「遮熱」

株式会社i.Dはこのほど、1014人の医師を対象に、熱中症の実態や対策…

家の中に“盗聴器” 電子レンジの後ろやテレビ裏から…心当たりない人も「誰が何のために?」被害の相談増加

人のプライバシーを狙う盗聴行為、実は今被害の相談が増えてい…

今や4人に1人がマッチングアプリ婚! Tinder®の中の人が初公開する、オンラインでの出会いに強くなる方法

「明治安田生命」が2024年にとった「いい夫婦の日」に関するアンケー…

チェックは常に一発OK…「写真家・篠山紀信」の偉業を40年以上支えた「印刷の匠」が語る「仕事の哲学」

写真史に数多の名作を残し、昨年、この世を去った篠山紀信さん(享年8…

「高級料理店で毎晩会食」「マッサージやメガネ代まで経費に」3年間で4000万円以上を私的に流用…「アントニオ猪木・最後の妻」の呆れた豪遊ぶり

2022年10月1日、79歳で亡くなったアントニオ猪木。今なお熱烈なファン…

loading...