入管施設で後ろ手に手錠をかけられて約１４時間放置されたとして、日系ペルー人の男性が国に２１６万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は１６日、国に１１万円の支払いを命じた。 堀部亮一裁判長は、手錠の使用の一部を「違法」と判断した。 判決によると、男性は大阪市住之江区の大阪入国管理局（現・大阪出入国在留管理局）に収容されていた２０１７年１２月、昼食への不満を訴えるなどした後、職員に手錠を１４時間以上かけられた。 施設での手錠の使用については、運用方針で、８時間を超えて使用を継続する場合は、所長らの承認を得るよう定めている。堀部裁判長は、男性が当時、大声で叫んで暴れていたとし、「手錠の使用は合理的な判断」とする一方、８時間後には激しい言動が収まっていたのに、職員が情報を所長らと共有して慎重に判断しなかったことについて、「違法な身体拘束があった」とした。 男性は訴訟中の２３年４月に病死し、親族が訴訟を引き継いでいる。大阪出入国在留管理局は「判決内容を精査し、今後の対応を協議する」としている。
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