ティーアップしてアイアンを打てるのに、思うようなショットにならず、ボギーやダボを叩いてしまうことも多いのがパー3。 その原因は「パー3特有のロケーションやメンタル状態にある!」という奥山ゆうしプロが”マインド”を変えつつ、ティーイングエリアを有効に使う、ミスを防ぐスイングのポイントをわかりやすくレッスンします! 必要な情報をもつことで不要な不安をなくす 距離を測ることで狙いを"点"から"エリア"へシフト ピンまでのほか、手前のグリーンエッジまで、池やバンカーを超えるまでの距離も測るとセーフティエリアの幅がわかる。ピンを点で狙うよりも、10~20ヤード幅で打つほうが、精神的に余裕が生まれミスショットを回避できる パー3で最初に考えるべきことは「罠にハマまらない」です。ティーイングエリアに立ったら、コースをよく観察し「あのエリアに飛ばせればバーディチャンス」「ミスしても、あそこならパーが拾える」と、スコアを想定したゲームプランを立ててください。すると、コースのなかに、セーフティエリア(リスクの少ない場所)が見えてきます。狙う範囲も広くなり、メンタル的にも余裕が生まれるのでナイスショットの確率が格段にアップする。仮にミスショットをしても想定内のミスになりやすく、あたふたせず冷静に対処できるので寄せワンの確率も上がります。 また、風に対しても「ショットの邪魔をするもの」ではなく「ショットを助けてもらえるもの」という考え方にシフトしましょう。たとえば「フォロー=リキまなくていい」「左から=左の池が怖くなくなる」など、ポジティブな“マインドチェンジ”が、ティーショットを大成功へと導きます! 風のチェックはクラブ選択の最重要ポイント 短いアイアンほど球が高く上がり、風の影響を受けやすい点をアマチュアは見逃しがち。風向きがわかりにくい林間コースなどでは、スコアカード裏面などに印刷されているコース全体図に、当日の風向きを書いておくといい。 「クラブ選択」と「ティーアップ」でも戦略を強化できる ピンまでの距離を打つクラブ 【クラブ選択】 ピンまでの距離を打てるクラブ、その前後のクラブの合計3本から選択し、さまざまな攻め方を考えるクセをつけることが大事。 パー3のティーショットは、多少のミスをしても必ずグリーンまで届く番手を選んでください。たとえ1ヤードでも「届かない」と思ってしまうと、脳は“リキむ”信号を出し、ミスを誘発します。奥に池などの危険地帯がある場合をのぞいては、オーバーを嫌がらずに大きめのクラブで打つ。そもそもコースに行って、練習場と同じ力感で打てているアマチュアはほとんどいないので、大きめの番手でリラックスして打つくらいでちょうど。風が強いときは、大きめの番手でハーフショットすると弾道が低くなり、風の影響を抑えられます。 クラブを決めたら、次はティーアップ。まずは“スタンス”と“ボール位置”の両方が、平らになるところを見つけてください。なるべく練習場と同じような環境を作ることが、ショットの成功率を上げるコツ。さらに、なんとなくティーマーク間の真ん中にセットするのではなく、ピンポジションやコースロケーション、自分の球筋に合わせてティーイングエリアの横幅を広く使いましょう。 ドローの人は左端から右サイド、フェードの人は右端から左サイド狙いで構えると、ホールをボールが曲がっていく方向へ広く使えるので、ミスしてもリスクが少ない。 2クラブレングス以内まで後方に下がることもできる。ティーマーク付近は、打つ人が多くライが 荒れがち。芝がキレイに残っているうしろのエリアがオススメだ。 ボールをクリーンに打てるくらい(写真左)が通常だが、スコア100前後の人は、1センチ程度浮かせるのがオススメ(写真中)。地面とボールの間の”許容範囲”を広げることで打ちやすくなる。ただし「高すぎ」(写真右)るとフェースの上っ面に当たり、飛距離を大幅にロスしてしまうのでNG。 「グリーンセンター」とは左右の真ん中だけではない! ”グリーンのセンター狙い”が基本ですが「左右の幅の真ん中とカン違いしている人が多いですね」(写真左)と奥山。センターとは前後の縦幅の真ん中も含まれる。左右だけでなく、前後にも安全圏を作ろう。 いかがでしたか。奥山プロのレッスンをぜひ参考にしてください! レッスン=奥山ゆうし ●おくやま・ゆうし/1983年生まれ、埼玉県出身。日本大学ゴルフ部卒業後、2010年のプロテストに合格。レッスン動画を配信しているSNSの登録者数は22万人を突破し、数多くの芸能人のコーチも務める。 構成=岡田豪太 写真=田中宏幸 協力=取手桜ケ丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)