神奈川県警の駐在所勤務の現職警察官が地域の住民から700万円をだまし取ったとして逮捕された事件です。男は去年着任したばかりで、地域のつながりを深めるため自作の資料を作って配り歩いていたことが分かりました。 【画像】着任時には手作りのあいさつ文、パトロールでは「防犯チラシ」配布　駐在所の警官が詐欺 ■駐在所警官が逮捕「借金の返済に充てた」 　神奈川県横須賀市。男が勤務していた駐在所には、いるはずの警察官がいません。 　町内会長によりますと、後任はまだ決まっていないということです。駐在所の中をのぞいてみますと、「緊急の方は110番へ」と書かれています。 　6日、地域の住民が見せてくれたのは、逮捕された男が駐在所に着任した際、地域に配ったあいさつ文です。 あいさつ文 「澤田義弘（さわだ　よしひろ）です。地域住民のために寄り添って一生懸命仕事をしていきますのでよろしくお願いします」 　防犯を啓発する手作りのチラシも、地域に配っていました。 　詐欺の疑いなどで逮捕・送検された横須賀警察署の巡査長、澤田義弘容疑者（36）。 　警察によりますと今年5月、澤田容疑者は面識があった70代男性の通帳と印鑑を入手し、委任状などを偽造。横須賀市内の郵便局で現金700万円をだまし取ったとみられます。 　その際、警察官の服装で警察手帳も見せため、郵便局員は信用してしまったということです。 澤田容疑者（警察によると） 「借金の返済に充てた」 「私がやったことであり、間違いありません」■「安全安心」地域住民も信頼 　去年3月に赴任してきた澤田容疑者。地域住民からの評判は上々でした。 前町内会長　安藤さん 「澤田さんはパトロールする時に作ったチラシを回してもらって、地域の安全安心を心がけて努めている感じ」町内会長　千田さん 「今年の6月にお祭りがあり、鉢洗いっていうご苦労様会ですね。その時は手作りのおかずを持ってきてくれたりして、結構みんなから冷やかされたりしていた」 　信頼の背景には先輩の功績もあります。前任者は32年間にわたり、この地域の安全を守り続け、「町の自慢」として新聞にも取り上げられるほど愛された警察官でした。 前々町内会長　加藤さん 「（前任者は）何でも安心して僕に言ってというようなタイプで、安心してたのみんな。地域で大事な警察官でした」 　住民は、後任の澤田容疑者にも信頼を寄せていましたが、地域の住民から700万円をだまし取るという、まさかの事件に衝撃が走っています。 ■夏ごろに異変　目を背ける不自然なしぐさ 　地域の住民は、今年の夏ごろに澤田容疑者の異変を感じていました。 千田さん 「8月に結婚式をあげたらしいです」加藤さん 「それでお祝いしてあげるよって。なごやかに進めてあげようという気持ちでしたけど、そのあと顔を合わせると下向いて歩くような」 　事件があったのは5月。その3カ月後に住民が澤田容疑者を見ると、目を背ける不自然なしぐさをみせていたといいます。 　犯罪を取り締まる警察の信用を根源からゆるがす信じられない事件。 弁護士法人プロテクトスタンス大橋史典弁護士 「犯罪としては3つ成立すると考えられます。有印私文書偽造、同行使罪、詐欺罪。どの法定刑で処分されるかは、本件において詐欺罪の法定刑、つまり10年以下の懲役刑が下される（可能性）」 （「グッド！モーニング」2024年11月7日放送分より）