“なごやめし”といえば、味噌カツや手羽先が有名ですが、じつは、奇想天外なメニューで話題の喫茶店があります。それが、愛知県名古屋市に店を構える喫茶「マウンテン」です。 　伝説の喫茶店ともいわれる同店を訪れ、2種類のパスタに挑戦してきました。いわゆる“裏なごやめし”の世界です。 名古屋の喫茶店「マウンテン」 　喫茶「マウンテン」は、超甘口のスパゲッティや激辛かき氷など、常識を覆すメニューで知られる名店。ついつい何度も通ってしまうような不思議な魅力があるというのです。 　店名の「マウンテン」にちなんで、メニューに挑戦することは「登山」、完食することは「登頂」、残念ながら残してしまうことは「遭難」と呼ばれているそうです。 「ナマズスパ」「納豆スパ」「サボテンスパ」など、気になりすぎるメニューが数多くありましたが、今回は冬春限定の「甘口イチゴスパ」に決定！ 　名前からしていかにも甘そうなメニューなので、「あわせるなら辛口メニューかな？」と思い、店員さんから「激辛です」とおすすめしてもらったスパゲティ「赤いワンピース」も一緒にオーダーしました。 冬春限定メニュー「甘口イチゴスパ」 　私の第一声は、「かわいい！」。見たことがないピンク色のパスタにたっぷりの生クリーム、そしてイチゴとキウイがドーンとのっています。これまで抱いていた“スパゲティ”の概念を完全に覆す華やかさです。 　甘い香りに誘われ、早速フォークを差し込みます。うっお、ぬるくて超絶甘い！　生クリームを絡めて……さらに甘い！　これは、あたたかいイチゴスイーツ？　でもパスタ？　初めての体験に、脳が混乱する感覚さえ覚えます。 　頼みの綱は、イチゴとキウイ。フルーツの酸味でなんとか甘さをごまかしつつ、食べすすめます。 　しかし、その甘さにくじけそうになることしばしば。しかし、私には「遭難」を防ぐための必殺メニューがあります。そうです、「赤いワンピース」です。 激辛スパゲティ「赤いワンピース」 　一見、ケチャップ味のパスタに見えますが、大間違い！　名前もかわいらしくておしゃれなのに……。タバスコに唐辛子のチップがまぶしてある、正真正銘の激辛スパでした。ザ・唐辛子な味です。ニンジンとインゲンがトッピングされています。 　口の中が甘くなりすぎたときは、「赤いワンピース」を食べて一気に刺激モードに。逆に辛くなりすぎたら、また「甘口イチゴスパ」に戻る……。この工程を延々と繰り返しました。 　そして、どちらも完食！　圧倒的な達成感に包まれました。 「赤いワンピース」と「甘口イチゴスパ」。どちらか片方では、「遭難」していたかもしれません。しかし、2つのメニューを交互に味わうという思いつきのおかげで、なんとか両方「登頂」することができました！ 　帰りぎわ、入り口付近にあるカプセルトイにチャレンジ！　「甘口イチゴスパ」のミニチュアを狙いましたが、出てきたのは「甘口メロンスパ」でした。よし、次は「甘口メロンスパ」を食べるぞ（笑）。 人気メニューのミニチュアが出てくるカプセルトイ 　店を出る際、入れ違いに外国人のグループが来店。「わかって来ているんだよね……。大丈夫だよね。甘いよ、辛いよ」と、少しだけ心配になってしまいました。 　裏ナゴヤメシ。喫茶マウンテンから、無事「下山」することに成功。噂は本当でした。ここでしか出会えない味に、大感動のひとときを過ごしてきました。 （文＝minto）