【エリザベス女王杯】モリアーナ“独り舞台”で上々ラスト11秒2 開場4時間後の周囲に馬がいない環境重視 

◆エリザベス女王杯追い切り(6日・美浦トレセン)  第49回エリザベス女王杯・G1(10日、京都)の追い切りが6日、東西トレセンで行われた。レガレイラは美浦・Wコースの併せ馬で俊敏に反応し、ラスト1ハロン11秒0を楽々マーク。極上の切れに、「考察」担当の西山智昭記者は前走からの上昇を確信。馬トクスタッフの仕上がりチェックでも動き1位の「G」評価を得た。同2位のモリアーナは同コースでのびのびと単走。気性を考慮した最終調整で上々の仕上がりをみせた。  周りに馬がいない“独り舞台”だったから、余計に動きの良さが目についた。モリアーナは美浦トレセン開場(午前6時58分)から3時間56分後の午前10時54分にWコース入り。道中はリズム重視でゆったりと走り、直線は四肢を鋭く回転させてラスト1ハロン11秒2を馬なりでマークした。  燃えやすい気性を考慮した、できるだけ静かな環境での最終調整。武藤調教師は「他厩舎の馬と一緒になるとカーッとなって、ああいう11秒2を出せない稽古になってしまう。それを考えたらイメージ通りで良かったです」と合格点を与えていた。  これまで何度か“暴走”を目撃したことがあったので、意図した調教ができたのには好感が持てたし、仕上がり自体もかなり良さそうだ。「今日はいつになく息の入りもいいし、心臓もだいぶ鍛え上げられてるかなという感じですね」と武藤師。自慢の末脚を爆発させられる態勢は整っている。  今回と同じ距離のアメリカJCCは牡馬相手に0秒2差(4着)。ヴィクトリアマイルは0秒5差(7着)と、着順ほど負けていない。気難しさ、乗り難しさが出世を妨げている印象だけに、「状態だけは本当にいいので。今年で引退ということになっているので、すっきりとした競馬を見せてもらいたい。今回も定位置(後方)だと甘くないと思うので、何かしら考えて乗ってもらえれば」。トレーナーは前回からコンビを組むベテラン・岩田康の手腕にも期待していた。(西山 智昭)

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