ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は１３日、同国北東部スムイ中心部がロシア軍の弾道ミサイル２発の攻撃を受け、少なくとも３４人が死亡、１１７人が負傷したとＳＮＳで発表した。 　大量の小型爆弾を空中からばらまくクラスター爆弾が使われたとみられる。 　ロシアのウクライナ侵略の停戦交渉が行われる中での攻撃に欧州首脳らから非難の声が相次いだ。フランスのマクロン大統領は「ロシアが（戦争の）継続を選んだのは明らかだ」とＳＮＳで表明した。独公共放送ＡＲＤによると、ドイツの次期首相に就任する見通しのキリスト教民主同盟（ＣＤＵ）のフリードリヒ・メルツ党首は「深刻な戦争犯罪だ」と指弾し、これまで同国が供与を拒んできた長射程巡航ミサイル「タウルス」をウクライナ軍への支援に含める意向を示した。 　米国のトランプ大統領は１３日、大統領専用機内で記者団に対し、スムイへの攻撃について「本当に恐ろしいことだ」と述べるにとどめた。ロシアへの直接的な批判は控え、「私はウクライナ人とロシア人の命を救うために戦争を止めようとしている」と停戦を目指す考えを改めて強調した。 　ゼレンスキー氏は１３日放送の米ＣＢＳの番組で、米国を頼れると思うかと尋ねた質問に対し、「力強いパートナーだと即座に答えたいが、疑念がある」と述べた。インタビューは今月上旬の露軍の攻撃で２０人が犠牲となった中南部クリビー・リフで行われた。露国防省は１４日、スムイへの攻撃について「軍の会合場所をミサイル攻撃し、軍所属の約６０人が死亡した」と発表した。 　一方、ウクライナ空軍は１２日、米製戦闘機Ｆ１６のパイロットがこの日、戦闘任務中に死亡したとＳＮＳで明らかにした。ウクライナメディアは、露軍の対空ミサイルで撃墜されたと報じた。ウクライナが戦闘で失ったＦ１６は２機目とみられる。