アメリカとの交渉が始まるなか、与野党は国内の経済対策に前のめりの状況です。しかし消費税の減税を巡り、与野党ともに党内で亀裂が入る可能性が出ています。 【画像】枝野氏「減税ポピュリズムなら別の党を」 立憲も意見割れる ■一枚岩にいかない与党…選挙控える議員は前のめり 週末の石破政権は「万博」と「トランプ関税」で頭が一杯だったのでしょうか。ミャクミャクにほほ笑む石破茂総理大臣に対し、「関税担当」の赤沢亮正経済再生担当大臣はうつむきがちに歩いていました。 自民党 麻生太郎最高顧問 「この経済騒ぎも、しばらくの間続きます。明らかに非常時なんです。有事なんです」 麻生最高顧問は、自民党は“非常時に決められる政党だ”と主張し、今年の参議院選挙に向けて支持を訴えました。 選挙を前に高まる「消費税減税」を求める声。自民党のナンバーツーは議論をこう牽制(けんせい)します。 自民党 森山裕幹事長 「消費税を下げる、その分の財源をどこに求めるかという話があって初めて議論ができるのではないか」 「裏付けのない減税政策は、国際的信認を失うと大変なことに」 しかし、与党は一枚岩ではありません。 公明党 斉藤鉄夫代表 「消費、所得、その他の税。減税の中身や方策は現在、あらゆる選択肢を俎上(そじょう)に載せて検討中」 連立を組む公明党と、3カ月後には選挙を迎える自民党の参議院議員らは、消費税減税に前のめりです。 ■立憲もめる「減税したいなら別の党へ」 意見が割れているのは与党だけでなく、野党側も同じです。 立憲民主党 江田憲司衆議院議員 「我々は、給付金よりも所得減税よりも消費減税(を訴える)」 野党第一党の立憲民主党です。党内から消費税減税を求める声が上がるなか、野田佳彦代表は13日にこのように述べました 立憲民主党 野田代表 「皆さまこんにちは。皆が今、一生懸命に賃金引き上げをやっている時に『トランプ関税』は残念ながら、賃上げ原資を削り取る可能性がある」 ただ、消費税減税には…。 野田代表 「いろいろな意見が(党内に)ある。キックオフしたばかりなので、(議論の)推移を見守りたい」 消費税減税は「一つの方向性」と述べながらも、距離を置いています。 野田代表にとって、消費税への思い入れはひとしおです。2012年に総理大臣として「社会保障と税の一体改革」を掲げ、5%から10%への税率引き上げに、政治生命を賭けました。 野田総理大臣(2012年) 「社会保障を支えるために、誰かが負担しなければならない。負担なければ給付なし」 消費税が争点となった去年の党代表選挙でも、減税に否定的でした。代わりに、所得が低い人に対し、負担した消費税の一部を還付する「給付付き税額控除」制度を掲げていました。 同じ主張をしていた“戦友”は先週、減税圧力に負けないよう、こう伝えたと報じられています。 枝野幸男立憲最高顧問(朝日新聞によると) 「ぶれないでください。ぶれなければ支え続けます」野田代表(朝日新聞によると) 「大丈夫」 2日後、枝野最高顧問の言葉には熱がこもっていました。 枝野最高顧問 「野田さんは同じ思いでいるので、うちの党は大丈夫だと思うが、私はポピュリズム(大衆迎合)に走らない」 「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党を作ってください」 このように、党内の消費税減税の議論を牽制しました。 消費税減税を巡り与党・野党ともに意見が二分するなか、13日に自民党・森山幹事長は、「赤字国債を出さない範囲」の規模で補正予算を編成する意向を表明しました。 森山幹事長 「補正(予算)で対応しなければならないのは、その通りだ」 時期は「今の国会での成立を目指すべきだ」と希望しています。 少数与党として、野党とのギリギリの調整が続く石破政権に、与党内をまとめるという新たな苦難が待ち受けています。 (「グッド!モーニング」2025年4月14日放送分より)