うつ病・認知症リスク高める加齢性難聴、75歳以上の3割超…補聴器の普及促進へ対策強化

 うつ病や認知症のリスクを高める加齢性難聴の対策を進めるため、日本耳鼻咽喉科頭頸(とうけい)部外科学会など8団体は、適切な医療支援を図る共同宣言をまとめた。  聞こえにくさを感じる人の受診率を80%以上に引き上げ、低迷する補聴器の普及率の向上を目指すなど四つの目標を掲げ、健康寿命の延伸につなげたい考えだ。  加齢性難聴は、加齢に伴い音を感じる細胞が減り、耳が聞こえにくくなる病気。75歳以上の3割超が難聴を自覚している。治療法はないが、早期の受診で進行を遅らせ、補聴器の装着などで生活の質を維持できる。  日本補聴器工業会の2022年の調査では、聞こえにくさを自覚し、耳鼻科などを受診した人の割合は38%、相談を受けた医師が補聴器を勧めた割合も37%にとどまる。難聴を自覚する人のうち補聴器を使う割合は15%と、欧州各国の40〜50%台より低迷している。  共同宣言には、高齢者や認知症の診療を専門とする学会も参加。加齢性難聴を放置すると、コミュニケーションが難しくなり、社会的な孤立や認知機能の低下につながると指摘し、対策として、〈1〉全ての世代を対象とした難聴の検査体制の整備〈2〉適切な診断や難聴の進行を抑制する生活指導の実施〈3〉補聴器の装着の推進——を挙げた。  これらを実現する目標として、受診率や医師による補聴器使用の提案、補聴器への満足度、補聴器の購入費用を補助する自治体の割合について、いずれも80%以上を目指すとした。  大森孝一・同学会理事長は、「宣言に参加する学会と連携して対策を進め、目標を達成したい」と話している。

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