B1昇格をかけたプレーオフ進出争いで正念場を迎えている中、練習に励む熊本ヴォルターズの選手たち。彼らを“体の内側”から支える取り組みに注目しました。 【写真を見る】コーヒー我慢も勝利のため!熊本ヴォルターズ、B1昇格賭けた「体質改善」 医療チームと選手の知られざる努力 練習後に面談 選手の「体の内側」を支えるチーム ある日、練習を終えた選手たちは、ヘルスケアサポートチームのスタッフとの面談に向かいました。 スタッフ「中性脂肪も半分くらいに減っていたんですよ」 澤邉圭太選手「それは良いことなんですか?」 スタッフ「いや、アスリートの方は100くらい欲しいですね」 彼らは熊本市南区のヘルスケア施設「メディメッセ桜十字」に勤める保健師や管理栄養士。 日常の業務に加えて、ヴォルターズの選手に最新デバイスを使った睡眠管理や、日常の食事のサポートなど、体の内側のケアを担っています。 ヘルスケアサポートチーム 前田恭子さん「ベストパフォーマンスをしてもらえるようなアドバイスというより『一緒に頑張りましょう』という感じでサポートしていきたいと心がけています」 「レベルが違う」全国初のサポート体制 こうした医療従事者がBリーグのチームをサポートするのは全国で初めての試みです。選手も厚い信頼を置いています。 山本選手「(移籍を重ね)6チーム目なので、いろいろなチームで栄養サポートなどがありましたが、ひとつレベルが違う。これだけの頻度で実際に医師・栄養師の話を受けながらプレーできるのは熊本しかないと思う」 この日は、採血の結果が選手に伝えられました。最大54項目の数値が解析できます。 中でも「鉄分不足で貧血になっていないか」は、アスリートにとって大事な要素だといいます。 スタッフ「フェリチンという貯蔵鉄が上がってきていますね」 山本選手「へー」 スタッフ「鉄のほうも上がってきている」 山本選手「出るんだ」 スタッフ「出てます、出てます」 コーヒー我慢も勝利のため こうして数値を出して、ベストコンディションを目指すための方法を指導することはできますが、実際に改善していくには選手の努力が必要です。 例えば、鉄分を効率よく吸収するためには食事の前後1時間は、カフェインの摂取を避けることが推奨されます。コーヒー好きな野口侑真選手は、鉄分関連の数値が良くなりましたが、我慢の日々です。 スタッフ「『コーヒー飲む頻度を採血の時に減らしました』とおっしゃっていたので、その効果では?」 野口侑真選手「ほぼ飲んでないですよ。でも、コーヒーメーカー買ったのに…」 スタッフ「ああっ、そうだったんですね」 ヘルスケアサポートチームのやりがいは… 面談で得られた情報は、ダブルチェックと、より良いアドバイスのために、会議で共有します。ヘルスケアサポートチームのやりがいは、何と言っても選手たちの活躍です。 共有会議での会話「ラム選手が喜んでいましたよ」「今日練習に復帰したんだよって言っていた」「私も(けがからの復帰戦を)画面で見ていたんですけど、ラム選手が決めて『やったー』って。スリーポイントをバンバン決めていくから、すごいと思って」 ヴォルターズの選手たちは、身体の内側まで万全な状態でプレーオフ進出への正念場を戦います。 ヘルスケアサポートチーム 和田育子さん「シーズン終盤に入っていきますので、ケガがないよう、ベストな状態で臨めるよう、わずかなことでも情報をキャッチしてすぐに選手に還元できるようにこちらも頑張っていきたい」