札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」の無許可開発問題を巡り、運営会社のサクセス観光が静岡県富士宮市内のテーマパーク「富士花鳥園」（休園中）に動物を移転させる計画を進めていた問題で、富士宮市は１０日、移転の前提となる土地賃貸借契約を解消したいと同社から申し出があったと発表した。 市は移転を断念したとみている。 同動物園が違法建築などの改善指導に従わなかったとして、札幌市は都市計画法に基づく全施設の除却命令を出す方針を固めていたが、同社は３月１０日、今年９月末での閉園を公表。飼育するライオンやトラ、ツキノワグマなどの動物について「準備が整い次第、移動を進める」としていた。富士花鳥園の跡地の賃借権を管理者である富士宮市から今年１月に取得しており、動物の移転候補地の一つとみられていた。 市によると、３月中旬に同社から「土地賃貸借契約を解消したい」との文書が届いた。市からはすでに「大動物の飼育は賃貸借契約上できない。別途、許認可も必要」と伝えていたことから、市の担当者は「動物移転の目的が達成できないと考えたのではないか」とみている。 契約解消に向けた交渉が進められており、須藤秀忠市長は１０日、「これで大動物が来ることはない。跡地は民間で、花鳥園とは別の形態で活用してほしい」と語った。
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