外国語を勉強してみたい。だけど何から始めればいいか分からない。教科書選びに文法習得、単語の暗記、アプリの使い方…どこまでやればいいのか見当がつかない。チャレンジしてみたけど、挫けてしまった。そんな人は多いのではないだろうか。 『外国語独習法』では、100の言語をあやつる若き天才学者が初めて明かした「絶対に挫折しないための50のルール」を収録している。 ※本記事は4月24日発売の大山祐亮『外国語独習法』の一部を抜粋、編集したものです。 多言語学習で見えてきた世界 多言語の世界を知るメリットとして、英語を相対化できるという点もあります。実は世界に分布する言語を俯瞰すると、英語に似ていない言語のほうが多いのです。「英語の成績＝語学の才能」とか、「日本人は外国語がヘタだ」といった考えはただの偏見です。 たとえば英語の母音にはたくさんの種類があります。loveのo、canのa、workのoなどはすべて「ア」のような音ですが、それぞれ違う母音です。英語しか知らないと外国語の発音は難しいという印象を受けるかもしれません。しかし世界全体に目を向けてみると、むしろ「あいうえお」のような数種類の母音で対処できる言語のほうが多く見受けられます。 また、英語、フランス語、ドイツ語をはじめ、西ヨーロッパの言語の多くには不定冠詞（a bookと言うときのa）がありますが、あれほどしっかりした使い方のルールを持つ不定冠詞は西ヨーロッパ以外の言語ではあまり見かけません。 フランス語やドイツ語などの西ヨーロッパの言語には英語に近い文法をもっているものが多いため、英語のような言語体系がグローバルスタンダードだというイメージが先行しています。しかし、実際は西ヨーロッパの言語は話者数は多くても、世界の中では変わり種と言える特徴を共有するグループ（専門用語で「言語連合」といいます）なのです。 英語はほとんどの日本人にとって最初に勉強する外国語ですが、世界のすべての外国語が英語のような構造だというわけではありません。英語よりも日本語に文法や発音が近い外国語もたくさん存在しています。英語が苦手だったとしても語学全般が苦手だとは限らないのです。事実、私のまわりには「英語は嫌いだけど、○○語の勉強は楽しい」という人が大勢います。 言語の世界はすべての人に開かれている 私から皆さんにお伝えしたいことは単純です。「先入観をなくして、語学を気楽に、楽しく勉強できるようになりましょう」。ただそれだけです。これから私が語る内容はすべてそこに向かっています。 本書では、私が会得した言語学習・独習の技術を解説していきます。そのノウハウは私が自分を実験台として試行錯誤して、数々の失敗をもとに組み上げてきたものです。その方法論を実践して言語の専門家としてやっていけているわけですから、そう間違ってはいないはずです。外国語を学習したいけれどやり方がわからないという方は、まずは本書の内容をなぞることからスタートしてみてはいかがでしょうか。 100言語をあやつる天才学者が明かす、外国語独習をおすすめする「本当の理由」