宮城・女川町で半世紀以上も島と本土を結んできた「島民の足」、最後の寄港…「本当に大切な船だった」

 宮城県女川町の出島(いずしま)と町中心部を結んできたシーパル女川汽船(女川町)の巡航船「しまなぎ」が3月30日、島への寄港を終えた。  半世紀以上にわたって住民の生活を支えてきた航路の最後を見届けようと、港に駆けつけた島民らが別れを惜しんだ。  島には昨年12月、本土とをつなぐ出島大橋が開通し、車での往来が可能になった。船の寄港は開通後も続いたが、3月31日から町民バスの乗り入れが始まるのに伴って役目を終えることになった。巡航船は今後、同町の離島・江島(えのしま)航路のみの運航となる。  本土と出島を結ぶ航路は、通勤や買い物など「島民の足」として大切な役割を果たしてきた。東日本大震災では島の港の桟橋が流失するなど大きな被害を受け、同社の社員4人も犠牲となった。一時は運航休止を余儀なくされたが、4か月後に再開にこぎつけた。  最終日の30日夕には、出島港に島民ら約30人が集まった。午後3時50分頃、しまなぎが長い汽笛を鳴らしながらゆっくりと岸壁を離れると、島民らは船に渡した紙テープを手に「ありがとう」、「お疲れさま」と感謝の言葉を贈った。  船の荷役係を長年担ってきた島民の木村洋子さん(75)は、次第に小さくなる船を見つめ、「島民にとって、本当に大切な船だった。無事に見送ることができて感無量です」と目を細めた。

もっと
Recommendations

後ろ手に手錠かけ14時間放置、大阪入管の措置は「違法」…地裁が国に賠償命令

入管施設で後ろ手に手錠をかけられて約14時間放置されたとして、…

“未来の音楽”万博で最新技術を駆使した実験的ライブ「Physical Twin Symphony」

大阪・関西万博で、未来の音楽の在り方を示すような実験的なライブ…

【天気】北海道〜九州まで広く晴れ、風がやや強め 夜は東北の日本海側を中心に雨の所が

◎全国の天気北海道から九州まで広く晴れるでしょう。洗濯日和となり…

北海道で最大震度2の地震 北海道・浦河町、様似町、幕別町、浦幌町、更別村、広尾町

17日午前7時16分ごろ、北海道で最大震度2を観測する地震がありました…

「退職」に敏感な50代 引き継ぎに新人に代行業者…不満と不安を感じる社会人は7割超

転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア…

米国経済の「地獄絵図」を垣間見た…トランプ「相互関税の90日間延期」を決断した「密室内の激論」

相互関税の発表で世界の株価は下落したが、トランプ氏は強気だった。…

日中戦争はなぜ「誰も望まないのに拡大した」のか? その「謎」にたいする「一つの答え」

2025年は「昭和100年」にあたります。昭和史のエキスパートである学習…

役所や政治家は何を重視している?——ロビイングの成功にインテリジェンスは必須

企業が新たな技術やサービスを世の中に広めようとするとき、または戦…

広末涼子「ステージの様子を見て、ヤバいと…」「異様なテンションと目の動き」逮捕前に現れていた「異変」

「自称・広末涼子」というワードが目に飛び込んできた。えっ!4月8…

ネガティブな報告のコツは「結論」から!そこまでの努力や不幸に”共感”を求めてはいけない

上司と部下、先輩と後輩、取引先、夫婦、親子……、いつも会話がすれ…

loading...