【正常進化した優雅なモデル】際立つハンドリングの軽快さ!999.2型ポルシェ911カレラ・カブリオレ

オーナーにのみ許された愉悦 ポルシェ911の現行モデルは昨年デビューした992の後期モデル、992.2型に切り替わっている。GTSグレードがポルシェ911として初めて電動化されたというトピックこそあったが、徐々にラインナップを増やしていくという伝統的なスタイルは変わらない。その中にはもちろんソフトトップを備えた911カレラ・カブリオレも含まれている。 【画像】ベテランが辿り着く境地のようなオープンモデル!ポルシェ911カレラ・カブリオレ 全35枚 オープンボディの911のファミリーは、今回試乗できたベーシックなカレラ・カブリオレにはじまり、S、GTS、4GTS、Tという5モデルで、カレラ・クーペと同じだけ揃っている。 ポルシェ911カレラ・カブリオレ(右)と別記事でレポートしたGTS。 田中秀宣 ポルシェというメーカーは創業当初からのリアエンジンレイアウトを頑なに守るようなスタンスの持ち主でありながら、派生するモデルに関しては可能な限りユーザーの要望にフィットするようなバリエーションを揃えてくれているのだ。 今回の試乗車は、シェードグリーンメタリックのボディにオプションのストライプが入っていた。ストライプはフロントフードだけでなくソフトトップにも入っているという凝ったもの。ちなみに試乗車に含まれていたオプションの総額は750万9000円なので、車両価格と合わせると2693万9000円になる。 よく「オプションだけでクルマが買える!」なんて言われたりするポルシェだが、乗り出し2000万円を超えるスポーツカーを買うオーナーの身になってみれば、自分の好みを事細かに反映させられることも楽しみのひとつに違いない。 ソフトトップ開閉で快適なオープンを堪能 さて、992.2型カレラ・カブリオレである。わかりやすい変更点は、ヘッドランプ下に横一線で独立していたドライビングライトが、新しいマトリクスLEDヘッドライトに組み込まれたこと。これに合わせ、テールランプまわりのデザインも新しくなっている。 室内では、スターターの形状が変更された。金属製のキーが、樹脂製を経てツマミになり、992.2型ではついにボタンになったのだ。メーターパネルも伝統的なデザインは踏襲しているが、中央のレブカウンターを含めフルデジタルパネルに変更されている。 カブリオレ化による重量増加は、リアにプラス50kgとなる。 田中秀宣 フラット6ターボの最高出力は、前期型の385psから394psに引き上げられている。車検証に記載された車重はフロント580kg、リア1040kgの1620kg。カレラ・クーペはフロント580kg、リア990kgの1570kgだったので、リアのプラス50kgがカブリオレ化による重量増加分ということになるだろう。 電動のソフトトップは、50km/h以下なら走っている最中でも開閉可能。今回は、高速道路に乗るまではオープン、長いトンネルを含めた高速道路上はクローズ。途中のパーキングから撮影場所に至るセクションでは再びオープンといった感じでオープンエアドライブを堪能した。 ソフトトップまわりに特に変更はないはずだが、トンネル内を走っている最中のノイズの侵入がしっかりと抑えられていた点はさすがだと感じた。クーペとカブリオレの快適性が、代変わりするごとに近づいてきているという見方もできるはずだ。 ベーシックモデルがお薦めの理由 ソフトトップの静粛性は非常に高いが、それでも加減速やコーナリング時のシャシーの質感、レスポンスはカレラ・クーペと同等とまではいかない。だから911の場合「クーペ一択!」という人が少なくないと思うのだけれど、この2台は比較するような存在ではないと筆者は捉えている。 カブリオレには何台かカレラ・クーペを所有したことがあるベテランが辿り着く境地のようなイメージもあるし、例えソフトトップを閉めている場合でもクーペより遥かに優雅で余裕がある感じが伝わってくるのだ。 スターターの形状が変更され、ついにボタンになった。 田中秀宣 カレラ・クーペがライバルに比べコンパクトかつパワフルという点で稀有であるように、カレラ・カブリオレほど取り回しやすいボディとキャラが立ったパワーユニットを持ったオープンモデルは他にないと言える。 前述の通り、911カレラ・カブリオレには5つの派生モデルに枝分かれしている。それらと乗り比べたわけではないが、今回のベーシックモデルはハンドリングの軽快な感じが際立っており気に入った。 394psも最高出力があれば必要にして充分だし、ハンドリングの軽やかさが少しでもスポイルされてしまうのであれば、カレラ4やGTSはいらないとすら言える。ただし、軽量化の成果を走りで体感できるカレラTだけは、クーペの方がより深く走りを楽しめるはずだ。 ポルシェ911カレラ・カブリオレのスペック 全長×全幅×全高:4542×1852×1301mm ホイールベース:2450mm トレッド:F1597/R1551 車両重量:1600kg エンジン:水平対向6気筒ツインターボ ボア×ストローク:91.0×76.4mm 総排気量:2981cc 圧縮比:10.2 最高出力:290kW(394ps)/6500rpm 最大トルク:450Nm/2000-5000rpm トランスミッション:8速DCT(PDK) 燃料タンク容量:63L 駆動方式:後輪駆動 サスペンション:Fマクファーソンストラット Rマルチリンク タイヤサイズ:F235/40ZR19 R295/35ZR20 最高速度:291km/h 0-100km加速:4.3秒 車両価格:1943万円 取材車車両価格:2693万9000円 パワーユニットは394psの水平対向6気筒ツインターボ。 田中秀宣

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