「これで政権は終わり」のはずの石破首相を救った「永田町の商品券文化」と「官房機密費の配布実態」

これで政権は終わりでしょう  3月31日に2025年度予算が成立し、今後の国会では企業・団体献金、年金制度改革や選択的夫婦別姓などが焦点となる見通しだ。衆参両院で修正が行われて成立したのは初めてだが、少数与党ゆえに仕方がないとの受け止めが大勢だ。そんな中でも石破政権の継続に赤信号が灯った場面があったという。 【写真を見る】商品券配りの「指南役」とうわさされる「ドンの息子」とは 「一言で言うと石破氏は商品券配布問題の際に危なかったと思います。政権維持に赤信号が灯っていました」  と、政治部デスク。 「関係者からひっきりなしに連絡がある中で、いずれも“これで政権は終わりでしょう”という声も大きかったからです。結果として回避できた背景には、『商品券文化』があります。商品券の配布は岸田政権時のみならず与野党問わず過去の政権でも行われていた可能性があり、これを深掘りして追及するのは得策ではないとの判断が野党側であったと見ています」(同) 永田町の商品券文化  あまり聞いたことのない「文化」の名前であるが——。 石破首相 「商品券文化というか、その種の贈答の伝統は確かにあります。与党側から折衝の中で丸め込まれる役回りの野党の国体経験者の中には、接待の際に支払われるお金で家が建った者までいる、とまことしやかに言われています。彼らにとって商品券10万円というのは映画のチケット代?くらいのレベルで、インパクトのあるものではないとの話も聞きました」(同)  野党側の追及がさほど厳しくなかったのは「過去にさかのぼって大丈夫なのか」「ブーメランのようにこちらの指摘が逆行してこないか」という疑念が大きかったようだ。 「石破氏による商品券配布の原資については官房機密費だという話もありました。石破氏はポケットマネーだとしましたが、その証拠を提示することはなかったので真相は藪の中です。石破氏がこれまでそのような振る舞いをしたことがないだけに、自腹ではないのではないかという説を唱える人は結構いましたね。しかし領収書を見たところでわかる話ではないですし、さすがに石破氏でも150万円くらいの現金は持っているでしょうから、そうなると余計に証明は難しい」(同) 官房機密費の担当は  実は官房機密費を各方面に配布する機会が多いのは首相ではなく官房長官だとされている。 「その点も石破氏には僥倖(ぎょうこう)だったはずです。そもそも機密費が焦点になれば与野党の官房長官経験者がやり玉に上がることになります。詳しい事情については口をつぐむにしても国会で質問を受ける立場になってやり取りをするだけでダメージがないとは言えません。民主党が政権を奪取したあとの振る舞いが、自民党と大差なかったというのはよく言われる話。自民党の一部議員が、かつての首相から商品券をもらった話をしていましたが、似たようなことを野党側の元議員などが打ち明けない保証はない。野党側が“相撃ち”を回避する方向を選んだ可能性は小さくないですね」(同)  では、石破氏の今後について展望してみよう。 「結局のところ、石破おろしに発展する動きは確認できません。選挙を前にした参院側からの突き上げが弱いですね。少し前の世耕弘成氏のような統率者がいないせいか、主張に勢いがない。参院選をデッドラインとして党員投票も含めたフルスペックの総裁選を行えるのはゴールデンウィークの後くらいまでとされています。それまでに何らかの政局があるか否かというところですが」(同) ばら撒きが効果的ではない理由  一方で、石破氏が口にした「強力な物価高対策」は各方面で混乱を呼んだ。これも批判は浴びたものの沈静化している。 「公明党・創価学会にとって強力な物価高対策は“ぜひお願いしたいテーマ”。石破氏が公明党の斉藤代表との会談直後に出てきた話でしたが、実現はなかなか微妙な情勢です。振り返ってみても現金のばら撒きをしたところで内閣支持率に寄与することはほぼなく、コロナ禍でもそうでした。財源を問われるなどしてデメリットの方が大きく、今回も現金給付はなさそうですね。あれこれ伝えるメディア側も番組のMCやコメンテーターは皆お金に困っていない人がほとんどなこともあって、ばら撒きに冷ややかなスタンスだったりすることも、ばら撒きが効果を持たない理由の1つかもしれませんが」(同)  かくして不思議なバランスや化学反応により、このまま石破政権のまま都議選、参院選に突っ込む可能性が高いというのだが、米国のトランプ大統領が打ち出した関税政策への対応次第ではそのシナリオが狂うことも大いにありそうだ。 デイリー新潮編集部

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