【バンコク＝佐藤友紀、竹内駿平】ミャンマーで発生した地震で、被害が大きい地域に入った日本の援助隊が活動を始めた。 ミャンマー中部のマンダレーでは４日午後、日本の医療従事者ら３２人による国際緊急援助隊が仮設診療所を設置し、患者の受け入れを始めた。この日は地震で骨折などの外傷を負った患者のほか、持病を持つ患者ら約４０人を診察した。 ５日に診療所を訪れたイェー・ウィン・トゥンさん（３４）は、がれきの下敷きになり背中に大きな外傷を負った。患者が押し寄せる病院で診察してもらえなかったといい、「日本は医療水準が高い。診察も無料で助かった」と本紙通信員に話した。矢間秀行団長は同日、読売新聞の取材に「まずは２週間ほど活動してニーズを見極めたい」と話した。 被災地を視察したミャンマー国民和解担当日本政府代表の笹川陽平・日本財団会長は同日、バンコクで読売新聞などの取材に応じ、「日本からの援助物資は見られず、他国に大きな後れを取っている」と語った。 ミャンマー国軍の発表によると、３月２８日発生の地震の死者は３４７１人、負傷者は４６７１人、行方不明者は２１４人に上る。 一方、建設中の高層ビルが倒壊した隣国タイのバンコクでは５日、日本の国土交通省と首都高速道路会社の専門家が高架道路の工事現場を視察した。同省の八尾光洋・海外プロジェクト推進課長は「質の高いインフラを作るための点検手法など今後の協力を模索していく」と話した。
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