「名もなき池」という岐阜県関市の“ご当地映画”をめぐり、トラブルが相次いでいます。補助金2000万円の交付について、市と制作会社が対立していて、4日に監督らが会見を開きました。 　　　◇ ──この映画というのは、実際にPRになったのか？ 監督・プロデューサー　新原光晴氏 「なったんでしょうかと聞かれると…いい意味ではないことで（PRに）なっていると思います」 4日の会見で監督・プロデューサーを務めた男性が語ったこの映画は、岐阜県関市にある人気観光地、通称「モネの池」が舞台となった「名もなき池」です。 妻を亡くした刀鍛治の様々な人との交流を描く人間ドラマだといい、市が観光地などのPRのため2000万円の補助金を交付し制作されました。ただ、この補助金をめぐり、トラブルに。 4日に会見を開いた映画を制作した会社は。 ──2000万円返還したら？ 映画企画会社　代理人弁護士 「興行自体が破滅的になります。現状でも極めて厳しいですが、これで2000万円（返還）というと、本当にどうしようもない」 制作したのは、兵庫県の企画会社「IROHA STANDARD」。市は補助金交付の条件として「今年3月末までに4週間以上の有料公開」などを定めましたが、見込めないと判断し、今月15日までに2000万円全額を返還するよう通知したのです。 映画は3月28日、市が内容をチェックする前に兵庫県の映画館で上映されましたが… 映画を見た人 「口と映画の音声がずれているところがあったので、映画としてどうなのかなと」 演じた主演俳優も… 映画「名もなき池」主演・伊達直斗さん 「台本を読んだらあまりにも台本が薄っぺらだったんですよ。そうしたら元々チャットGPTで書いた台本だからと」 「チャットGPT」をもとにした台本、という証言が。さらに、出演料の半分が未払いだといいます。 市によると、撮影協力をした店への支払いが遅れるなど、10件以上の金銭トラブルがあったということです。 「補助金交付の要件を満たさない」とされたことについて、制作側は。 映画企画会社　代理人弁護士（4日） 「そもそも本作品は、海外の映画祭に出品し受賞・獲得して、その後、国内公開について考えていくと。（今年）3月31日までに国内では上映できない旨を関市には伝えており…」 関市の求めていた期間に上映できない旨を伝えていた、と説明。 一方、市の担当者は「映画祭の話や年度内に公開できないと事前の相談はなかった」としていて、市は「弁護士と協議してから対応を検討する」としています。 （4月4日放送『news zero』より）