3ドバイ、その「ビジネスの場」としての魅力 私は富裕層を中心として資産運用や海外移住のアドバイスを行っており、シンガポールには10年以上前に進出しました。そして、今年に入ってからアラブ首長国連邦（UAE）のドバイにも法人を設立し、シンガポールと同様のビジネスを展開していく予定です。 なぜ、ドバイをビジネスの場として選んだのかについて解説します。 私が初めてドバイを訪れたのはちょうど今から20年前で、当時はまだ結婚していなかった妻との初めての海外旅行の目的地でした。 当時は日本でもあまり知名度は高くなく、海外旅行に詳しい人が今もドバイのアイコンとなっている7つ星ホテル「バージ・アル・アラブ」について知っている程度でした。訪れたのが4月でそれほど暑くなく、宿泊した「アブラ」と呼ばれる船に乗ってホテルの中をめぐる巨大リゾートがとても楽しかったのを覚えています。 上記の7つ星ホテルでの食事などレストランもレベルが高いところばかりで、さらに街中の治安もとても良かったので気に入りました。その後、子供ができてからも5回ほど巨大なウォーターパークが併設されているホテルを中心に家族旅行で訪れました。 世界から注目を集める「ドバイ」 ドバイのツーリズムでの存在感は統計でも裏付けられています。 2023年の海外渡航者の利用者ランキングで「ドバイ国際空港」は約8700万人と、「ヒースロー」（ロンドン；約7500万人）や「スキポール」（アムステルダム；約6200万人）、「シャルル・ド・ゴール」（パリ；約6200万人）といった欧米のハブ空港を抑えて世界トップとなっています。 ただ、このドバイの空港利用者の過半はトランジット利用ですが、ドバイ自体を訪れる外国人観光客の数も増えてきています。たとえば、24年時点でバンコク（約3200万人）、イスタンブール（約2300万人）、ロンドン（約2200万人）という国際的に人気の観光都市に次いで、ドバイは約1800万人と7位にランクインしています。 快適な「観光地」 ドバイと聞くとセレブのための物価が高い街というイメージが強いかもしれませんが、今回宿泊したホテルも同じブランドで比較して1泊約3万円程度と、私が普段生活しているシンガポールの3〜4割安く設定されていました。また、欧米の料理を中心としてレストランの価格も2〜３割安い上に、かつクオリティもドバイの方が総じて高いなど、コスパに優れた都市です。 気候も砂漠で酷暑という印象があるかもしれませんが、これに該当するのは5月の後半〜9月の前半だけで、逆に冬は最高気温が20〜25度程度で空気も乾燥しておりとても快適です。 気温は低くとも日中の日差しは強いので冬でも子供と一緒にプールも楽しめますし、趣味としているゴルフにおいても上記の期間を除けば快適な気候の中で、欧米と比べてかなりリーズナブルに、世界的にみてもトップクラスのクオリティのコースを含めて楽しめることは魅力です。 さて、こうした観光地としても優れたドバイですが、いまビジネスシーンでも存在感が高まっています。 なぜ、世界の富裕層は「ドバイ」へいくのか…？ツーリズムから一挙に「金融大国」となったドバイにあって日本にないもの