◇「自分を見失った」…首相が異例の陳謝 「商品券について深くおわびする。自分を見失っていたのかもしれない」。予算の年度内成立という「成果」をアピールするはずの会見は、異例となる首相の「陳謝」からスタートした。 「商品券配布問題」「高額療養費問題での方針転換」など、自身の“ミス”について「おわび申し上げる」「深く反省をする」など陳謝を続けた首相。「まるで、おわび会見だった」(政府関係者)とやゆする声も出る中、政府与党内からは「あれだけ首相のミスが続いた中で、よく年度内に予算が通った」という声さえも聞かれた。 ◇反転攻勢に?…新たな「物価高対策」 反転攻勢を狙い、首相は1日の会見で新たな物価高対策を打ち出した。 ▼ガソリン価格185円/1リットルを維持する補助金の当面継続 ▼備蓄米は「必要であればさらなる対応」 予算成立の翌日に新たな物価高対策を打ち出す姿に「政権の支持率が下がっていることへの危機感の裏返し」との声も聞かれた。ある政府関係者も「予算成立は最低ライン、ホッとはできない」と、予算成立後も政権運営の厳しい状況は続く現実を語った。 ◇国民の評価は…半年間の政権の歩み 石破政権の厳しさは、数字にも表れている。政権発足時に5割を超えていた内閣支持率は、衆議院選挙時には下落。その後はいったん43%まで持ち直したが浮上することはなく、3月の世論調査では31%に下落した。 「高額療養費」の患者負担をめぐる方針転換、「10万円の商品券配布問題」などが原因と指摘される中、多くの関係者が口にする石破官邸の弱さがある。それは官邸内の「側近の不在」「コミュニケーション不足」という指摘だ。 ◇どう克服する?石破政権の課題…「側近の不在」「コミュ不足」 「商品券問題」や「高額療養費」は、いわば“首相発”のミスで支持率の低下を招いた。こうしたミスはなぜ起きたのか。ある政権幹部はこう分析する。 「未然に防ぐための官邸内のコミュニケーション不足が原因」、別の首相周辺は「リスク管理をする側近が不足している」と指摘。 最終責任は決めた首相自身にあるとはいえ、商品券問題でいえば「事前にやめるべきだ」という側近がいなかった事。高額療養費でいえば「役所におされ、総理の考えの味方になる人がいなかった」(総理周辺)という声が聞こえた。 別の政権幹部は「総理に直接きた話も、いったん官邸全体で引き取り、話し合ったほうがいいと提案した」と話す。首相と政権幹部とのコミュニケーションが不足していたことが、リスク管理や政策立案をするにあたって、弱点になっていたというのだ。 ◇4月からも「課題は山積」…今後の政権運営のポイントは? 予算は成立したが、石破政権にとって課題は山積している。 ▼継続協議となっている企業・団体献金の扱い ▼自民党内で意見が割れる「選択的夫婦別姓」の扱い ▼国内経済への影響が懸念される「トランプ関税」への対応 「低空飛行」が続く政権をどう浮上させるのか?反転攻勢のカギは、複数の政権幹部が「石破らしさ」を取り戻す事だと指摘する。首相自身も、会見で「『石破らしさ』を忘れるなというお𠮟りを受けている」と語っていた。 ある政権幹部は「首相と側近たちのコミュニケーションを今まで以上に増やして、支えていく」と体制の強化について言及している。別の首相周辺は「我慢してもうまくいくかはわからない。ならば、石破らしさをこれからは徹底的に出してもらう」と、吹っ切れた様子さえある。 6月には東京都議選、そして7月には参議院選挙が控えている。ある政権幹部は「課題は山積。一つずつ丁寧に解決していくことが肝要。あとは強く『石破色』を出していきたい」と話している。 チーム石破は、再浮上できるのか。