朝早くからプレーしなくてはいけないゴルフは、寒さ対策として重ね着をする。しかし、厚着をするとミスショットが増える。「肌寒い時季のスタートから数ホールなんてナイスショットを打ったことがない」なんて人もいますよね。 だったら「薄着でプレーしましょう!」なんていいません。“着ぶくれ”してもいい球を打つ方法があるのかを大マジメに検証・取材してきました! 「動きにくい…」と感じたら 弱スライスとマイナス50ヤードでティーショット! まず「カット軌道によるスライスをドローにするほどの大きな変化は求めないほうがいいですね」と森山。 また、「もっとも大きく速く振るドライバーがいちばん着ぶくれの影響を受けます。ティーショットはスライスしてもいい方向をとり、普段から50 ヤード引いた飛距離の安全なエリアを狙う。ドライバーのマイナス50ヤードは決して大げさではありません。体が動かない、球筋はスライス、そして寒いとボールも飛ばなくなりますから!」(森山) 【着ぶくれ用Lesson1】 ボールから離れて構える意識をもつ ウエアが「突っぱって」しまい腕が適度に伸びない(×)。 無意識に手元が体に近づいてしまうので、気持ちボールから離れて構えよう(○) 前出の検証中「厚着すると肩甲骨も腕も伸びません!」と森山。それはアドレスにも悪影響があり、手元が体に近づいた構えになってしまう(×)。すると、スイング中に手元を通すフトコロが狭くなるため、手元とクラブが体から離れ、外から入る軌道になってしまうのだ。 また、ボールとの距離が近いとスイング軌道がアップライトになるが、これも×。腕やクラブをタテに上げていこうとしても、動きにくいので思うように上がらない。「ボールから離れ、遠くに立つ」意識をもって構えるが○だ。 【着ぶくれ用Lesson2】 クローズスタンスでスイングの最下点を右にする クラブが上から入ると最下点は左にきてしまう カット軌道はヘッドが上から入りやすく、鋭角な入射角はローポイント(スイングの最下点)が左にくるが、これもビッグスライスの原因のひとつ。 右足を引くと体の正面=最下点が右に来ます! アッパーブローでボールをとらえたいドライバーは、ローポイントをボールより右にするためにクローズスタンスで構えよう。インからの振りやすさも加わり、スライスの度合いを軽減できる。 【着ぶくれ用Lesson3】 トップ「小」ならフィニッシュも「小」に カット軌道からヘッドを急激にターンさせてしまうと、チーピンやヒッカケも出やすい。 フェース向きを上手にコントロールできる無理のない範囲で振ってボールをミートしよう 体が動きにくいので、トップは自然に小さくなってOK。そこからガンバって振るとフィニッシュが崩れてしまう。 「僕がデータ検証で、どチーピンを打ってしまったのもガンバって振りちぎろうとしたのが原因。インパクトゾーンでヘッドを過度に返しすぎてしまいました」と森山がいうように、フィニッシュが崩れるほどの大振りは、軌道やフェース向きの不安定さにつながるのでミートが難しくなってしまう。 大きなフィニッシュはバランスを崩しやすい(×) フィニッシュもトップに合わせてコンパクトにする(○) トップが「小」ならそれに合わせてフィニッシュも「小」にする。動きにくいなかでのコンパクトスイングが、ナイスショットのコツだ。 冬用ウエアにストレッチ素材はマスト! 着込めばヘッドスピードも飛距離も落ちる。それを無理に上げよう伸ばそうとすると大きなミスになってしまいます。動きにくい、飛ばないことと上手に付き合うことが着ぶくれしていてもナイスプレーをする秘けつです。 もうひとつ感じたのは、冬物ゴルフウエアは少し値が張ってもストレッチ素材を使ったものが◎。伸縮性がある服を着ることも、冬ゴルフで好スコアを出すための準備のひとつですね! いかがでしたか? ボールから離れて遠くから打つことを意識してみましょう。 レッスン=森山 錬 ●もりやま・れん/1996年生まれ。レッスンは3カ月先まで埋まっている大人気プロ。平均飛距離300ヤード以上のドライバーショットを放つ。Instagram(rengolf_54)で配信中の動画も大きな話題を呼んでいる。著書に「ゴルフは右手の使い方だけ覚えれば上手くなる(日本文芸社)」。Futako Golf Club主宰。 写真=田中宏幸 協力=Futako Golf Club 7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説