ライフスタイルの「多様化」と「時短」がゴルフの常識を変える バーチャル×リアルの新リーグまで始動(羽川豊)

【羽川豊の視点 Weekly Watch】 【羽川氏コラム】ワイアラエCCで見せ場をつくった平田憲聖は1打の重みを実感して夢をかなえてほしい 「ゴルフの未来はどうなるのか」  そんなことを考えたのは、バーチャルとリアルを融合させた、新しいゴルフリーグが米国でスタートしたからです。  この新リーグは屋内スタジアムが舞台。ドライバーやアイアンは巨大スクリーンに向かって打ち、50ヤード以内のショートゲームは実際にプレーする。既存のシミュレーションゴルフをワイドに進化、発展させたもので、T・ウッズやR・マキロイ、松山英樹ら、PGAツアーの24選手が6チームに分かれ、1日1マッチ(残り4チームはオフ)を行う。試合開始から終了までは約2時間とスピード感が求められる時代に合ったフォーマットで若いファンを獲得する狙いもあるようです。  ゴルフ界に若い人を引き込みたいのは日本も同じです。今年はゴルフ市場を支えてきた団塊世代が全員75歳以上となります。数年前から「ゴルフ業界の2025年問題」としてマスコミが取り上げ、競技人口の急激な減少が懸念されてきました。  一方で、コロナ禍以降、若者の中でもとくに女性ゴルファーが急増し、雑誌やテレビでも関連情報が増えました。  ライフスタイルの多様化が進み、スポーツの「時短化」もあって、プレースタイルやスタート時間も変わってきました。すでにアマチュアの間ではキャディーなしのセルフプレーや、早朝や薄暮ゴルフは全国に浸透しています。  アウト・インの2ウエースタートでハーフ終了後にランチを挟む従来の形式は残るものの、早朝や薄暮にナイター、休憩なしのスループレーなどを求めるゴルファーがこれまで以上に増えてくれば、ゴルフ場の対応も問われることになります。  そうなれば、プレー時間のスピード化は拍車がかかるはずです。  先日、都内在住のアマチュアからこんな話を聞きました。 「今は関東のゴルフ場へ宅配便でバッグを送ると往復で4000円以上もかかります。だから最近はキャディーバッグを担いで電車に乗る人が増えている」そうです。  それなら、14本のクラブは要らないでしょう。練習場に持っていくような小型のバッグに、ドライバー、ユーティリティー、7I、PW、パターの5本でいい。残り距離でクラブの選択に迷うことがなく「時短」にも寄与する。距離の打ち分けは、ロフトを立てたり、寝かしたりして対応できる。コース攻略は緻密になり、クラブの使い方を工夫することで腕も上がります。  毎日ニュースを見れば、計り知れないSNSのパワーに圧倒される日々ですが、柔軟な発想と「時短」が当たり前の若者が、「ゴルフの常識」を変える日がくるのではないか。 (羽川豊/プロゴルファー)

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