ピンの新作「G440」シリーズのキーワードは「飛び」だ。 「安定感」「寛容性」というこれまでのピンの考えが「ブレた!」。伝統的なコンセプトは継承しつつ「飛び性能」を強化、「飛んで曲がらない」最強のドライバーが誕生した。すでにホアキン・ニーマン選手がアジアツアーで実戦投入して優勝するなど、早くもその真価を発揮している。 ピンの歴代クラブの変遷を知り尽くしている鹿又芳典が、進化のポイントなどを詳しく試打・解説する! 「飛び重心」PING史上もっとも低重心設計で飛距離性能を高める (左から)G440 HL MAX、G440 SFT、G440 LST、G440 MAX 待望のピンの新作「G440」の最大の特徴は、ピンが求めてきた理想の重心位置へ近づけられたことによる“衝撃の飛び性能”だ。ボールにエネルギーを最大効率で伝達できる理想的な重心位置を示す線を、ピンでは「重心ライン」と呼び、このラインに重心が近づくほど、インパクト時のエネルギー効率はよくなり飛距離性能が向上する。 今作「G440」では、ピンのドライバーの伝統的特性である「深重心」はそのままに、「重心ライン」に重心を極限まで近づけることに成功し、ピン史上もっとも低重心に。「寛容性」「安定感」という“ピンらしさ”を残したまま、ブレないだけでない、飛距離性能が大幅に上がった“最強”のドライバーが完成した。 3つのテクノロジーが最大飛距離を生む「飛び重心」を実現 余剰重量をヘッド後方のウエイトに。深低重心で高打ち出し・低スピンの弾道が誕生 1:カーボン・フライラップ・テクノロジー (左から)G430、G440 前 作よりもクラウン部分を約34%軽量化。「MAX」と「SFT」 にはカーボンクラウンを初採用。「LST」においてもクラウン部分にあったブリッジをなくして、接合部の軽量化を実現 2:フリーホーゼルデザイン ヘッド内部のホーゼル(ネック部分)固定部を空洞化。耐久度を保ちながらも、前作から約13%の軽量化に成功した 3:極薄フェース フェースを極薄化し、たわみ性能をアップ。フェースが薄くなり、前作より約7%軽量化することで深・低重心化にもつなげている ※数値はPING調べ 【鹿又’s impression】プレーヤーの感性に訴えかけるヘッド形状も魅力 鮮やかなブルーのカラーリングが、精悍さとともに「スピード感」も感じさせます。スタンダードモデルである「MAX」のヘッド形状は、フルサイズの460ccながらも前作「G430」よりも少しすっきりとした形状に。今でもファンの多い名器「G410」を彷彿とさせるような形状です。 球筋をイメージしやすく、アドレスした瞬間から「振りやすそうだな」という印象を受けますね。 カーボンクラウンによる低重心化やサウンドリブによる打音向上など機能性についても、前作を完全に超えた仕上がりになっています。そのなかでも私が特筆したいのが「フリーホーゼル」です。ホーゼル(ネック部分)固定部を空洞化しても耐久度を維持できているのが本当にすごい! メーカーさんの努力をひしひしと感じます。 もう「ブレないだけ」とはいわせない 球がねじれずぶっ飛ぶ「強弾道」を体感せよ G440 MAX まず、初速の速さがこれまでのシリーズとはまったく違います。私は大げさではなく2m/秒ほど速くなって驚きました。 慣性モーメントが高いドライバーにありがちなダウンスイングでのもたつきがいっさいなく、インパクトでスクエアに戻しやすい。まさに“曲がらず飛ばせる”ドライバーです。 G440 LST 「球筋を自分で操作したい」「左のミスを消したい」という人にオススメです。 「MAX」と比較すると、フェースがみずから返ってこようとする動きは少なく、思い切り叩くことができます。かといって、スピンが“少なすぎる”ことはないので、安定したボールを打ち続けることができます。 G440 SFT インパクトの瞬間にしっかりとボールをつかまえてくれるので、「球がすべる」という感覚はまったくない。「MAX」と比べるとスピンが入りやすく、よりやさしさに振ったモデルです。 「ボールをつかまえたいけどスピン量は抑えたい」という人は、新たに追加されたロフト9度を試してください。 G440 HL MAX ヘッドスピードが遅めの人に向けた軽量モデルですが、こういったモデルにありがちな「頼りなさ」はなく、オフセンターヒットにも強い。スイング中にヘッドがどこにあるかも感じやすいので、結果としてミートしやすい。 HLには、さらにつかまえてくれるSFTの軽量ドライバーもあります。 【鹿又’s impression】飛び、安定感、打音、形状。すべてがハイレベル まず、感じたのはその初速性能の高さ。どのモデルを打っても自分が想定しているよりも断然速いボールスピードで飛び出していきます。ですが、球が暴れることはなく、ピンらしい「安定感」「曲がりづらさ」はそのまま残している。考えに考えられた重心の位置がこの両立を可能にしているのでしょう。 感覚的な側面では、ヘッド形状と同様に打音もかなり“締まった”音になりました。低く短い打音は、しっかりと振り切っていける印象をプレーヤーに与えてくれます。 標準シャフト「ALTA J CB BLUE」との相性もとてもグッド。軽量モデル「HL」はHS38m/秒以下のゴルファーが、飛距離を最大化できるように作られている 標準シャフトのバリエーションも“ピンならでは” シャフトとヘッドのベストマッチングで飛ばせ! Newシャフト「ALTA J CB BLUE」から試してほしい ピンといえば、標準シャフトの多さも特徴のひとつ。フィッティングを重要視しているピンだからこそ、自社でこれだけのバリエーションを用意しようというマインドをもち続けられるのだと思います。 まず、新しく登場した「ALTA J CB BLUE」のクオリティがとても高い! 46インチと長尺ですが、カウンターバランスの効果で振りづらさを感じません。しなり感があるのに振り遅れず戻ってきてくれるので「G440」との相性は最高です。試打する際は、まずこれからトライしてください。 そこで違和感があれば、中元調子で剛性感の強い「TOUR 2.0 CHROME」、手元調子でシャフト全体にハリ感のある「TOUR 2.0 BLACK」を試しましょう。どちらも中弾道から低弾道が出やすいシャフトですが、このふたつで悩んだときはシンプルに「振りやすいほう」を選んでいいと思います。 さらに高さで飛ばせる軽量の「SPEEDER NX GREY」もあり、幅広いゴルファーに選択肢を用意してくれています。 ヘッドとシャフトの「ベストマッチング」をフィッティングで見つけよう 上述したようにシャフトの基本特性はありますが、ヘッドとの相性やロフト選択、クラブ選びには判断しなければならない要素がほかにもたくさんあります。これらのピースがピタッとハマったとき、真の最大飛距離を得ることができる。しかし、アマチュアが自分で“正しく判断する”のはとても難しいですよね。 そこで利用してほしいのが、専門家による「フィッティング」です。ピンはフィッティングを強く推奨しており、 直営店はもちろんのこと、全国のPING取扱店にも「PING認定フィッター」が数多くおり、自分自身の「ベストマッチング」を客観的に判断してもらうことで、クラブに対する“迷い”をなくすことができます。 ちなみにピンの標準シャフトは、どれを選んでも追加料金ゼロ!ぜひ自分に合ったクラブで、さらなる飛びを体感してみてください。 SPEC:G440 ドライバー ●ロフト角/9、10.5度(MAX、LST、SFT)、12度(MAX) ●長さ/46インチ(ALTA J CB BLUE装着時・標準長) ●シャフト/ALTA J CB BLUE、PING TOUR 2.0 CHROME、PING TOUR 2.0 BLACK、FUJIKURA SPEEDER NX GREY ●重さ(MAX・シャフト・フレックス)/約301g(ALTA J CB BLUE・SR) ●価格/10万7800円 いかがでしたか? PINGの新作「G440シリーズ」をぜひ試してみてください。 解説・試打=鹿又芳典 ●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。各メーカーの新作クラブをほぼすべて試打し、時代ごとのトレンドを熟知している。その評価を参考にするアマチュアは多い。 ●商品の問い合わせ/ピンゴルフジャパン clubping.jp 構成=石川大祐 写真=相田克己 協力=ジャパンゴルフスクール