スター・ウォーズ「キャシアン・アンドー」出演 シーズン2で見えたもの

 「キャシアン・アンドー役を務めて11年になりました。最初のオーディションはメキシコシティで受けたんです」。17年ぶり2度目の「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」のため4月に来日したディエゴ・ルナは、同イベントのライブステージに登壇し、懐かしそうにキャシアンとの歩みを振り返った。「SW史上最高傑作」との呼び声高い、2016年の映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で衝撃の最期を迎えたキャシアン。そんな反乱軍の英雄をフィーチャーしたドラマシリーズ『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』は現在シーズン2が配信中で、米批評家サイトRottenTomatoesで批評家スコア97%と驚異の数字を叩き出している。利己的で“大義”の意味も知らなかったシーズン1のキャシアンから、徐々に英雄に成長してく姿が本作の見どころのうちの1つ。今回は来日したディエゴにインタビューを実施し、シーズン2で『ローグ・ワン』につなげていくために必要だったものやディエゴ自身の今後の展望を聞いた。 【写真】スニーカーまでオシャレ 来日したディエゴ・ルナ ■誰かから学ぶことで、人はリーダーになれる ——『キャシアン・アンドー』がシーズン2でいよいよ完結しますが、『スター・ウォーズ』に携わったことは人生においてどんな意味を持ちましたか? ディエゴ・ルナ(以下、ディエゴ):キャシアン・アンドーは、僕にとってすごく大切な存在です。人生のちょうどいいタイミングで出会うことができた役でもあります。『ローグ・ワン』にキャスティングされた時は本当にうれしかった。でもあの時は、映画一本だけの仕事だと思っていて、その先があるなんて思いもしませんでした。なので、ドラマシリーズが決まった時は、もっとキャシアンに焦点を当てた、複雑な物語に挑戦できる素晴らしいチャンスが来たとうれしく思いました。『ローグ・ワン』脚本家のトニー・ギルロイが本作に参加することだけでなく、長編シリーズというフォーマット自体が、映画ではできなかったようなキャシアンの内面やモチベーションを深く掘り下げる良い機会だと思ったんです。 ——シーズン1の時はキャシアンが凡人に見えるよう演じたそうですが、シーズン2では彼のリーダーの顔が垣間見えるようになります。どう変化をつけたのでしょうか。 ディエゴ:彼が本当の意味でリーダーになるのは、ルーセン・レイエル(ステラン・スカルスガルド)と出会った後だと思います。シーズン1でのキャシアンは、ルーセンに対する好奇心はありますが、すごく警戒していました。しかし、シーズン1の最後とシーズン2の始まりの間にある1年間でキャシアンは、ルーセンをリーダーとする組織の人々からたくさんのものを学び、組織のために戦うことを決意しました。そしてシーズン2でキャシアンは、ルーセンのやり方に対して違和感や疑問も持ち始めます。それを踏まえて、自分が望むリーダーに成長していくのです。誰かから学ぶことで、人はリーダーになれるんだと思います。 ——シーズン2の中で、『ローグ・ワン』とのつながりを感じた瞬間はありましたか? ディエゴ:確かにありました。キャシアンが『ローグ・ワン』へ行き着くためには、「自分がなぜ戦うのか」「なぜ変化を望むのか」をはっきりと理解する必要がありました。そのきっかけになるのが、シーズン2で描かれるビックス・キャリーン(アドリア・アルホナ)や、ウィリモン(ムハンナド・バイエル)、ルーセン、クレヤ(エリザベス・デュロー)、ベル(フェイ・マーセイ)らとの人間関係や大きな喪失なんです。これらすべての出来事が、反乱軍として立ち上がることの覚悟や、世界を変えられるかもしれない大きなことに参加したいという気持ちを芽生えさせたんだと思います。 ——それでは脚本を読んだ段階で、キャシアンの道筋が見えていたのでしょうか? ディエゴ:そうです。本当にその通りでした。いろんな関係性が描かれる中で、「彼はこうやって強さを手に入れていったんだ」と思えるようになりました。シーズン1でキャシアンは、マーヴァ・アンドー(フィオナ・ショウ)を亡くし、すべてを奪われ、惑星フェリックスも妹も見つけることができず、多くの痛みを経験しました。それでもシーズン2での人間関係が、『ローグ・ワン』へと向かうための力を与えてくれるんです。 ——揺るぎない信念を持つキャシアンを演じる中で、指針になったものはありますか? ディエゴ:そうですね、やっぱり市民としての責任感や義務感という面で、最も重要なのがマーヴァの存在でした。彼女の生き様や葬式での言葉が、キャシアンにしっかりと寄り添い、シーズン2を通して彼を引っ張っていく力になるんですよね。彼が耳を傾ける人はたくさんいますし、信頼したり尊敬する人も多いですが、マーヴァの言葉ほどキャシアンにとって重いものはないんです。 ——シーズン2の中で特に印象的だったシーンはどこでしたか? ディエゴ:第3話のブラッソとの出来事はキャシアンにとって強いインパクトを残したと思います。本シーズンではキャシアンが帝国の抑圧を肌で感じ、帝国がどうやって自由や夢を潰していくのかを目の当たりにする場面がたくさんあります。そんなシーンの芝居をするのは、とても強い感情を伴いました。 ——それらの感情をキャスト同士で共有し合うことはあったのでしょうか? ディエゴ:本当にたくさん話し合いました。脚本が比較的早い段階で送られてくるので、僕ら俳優陣も万全に準備をすることができたんです。また、エピソードの各ブロックごとに監督がついていて、彼らは僕たちキャストのためにエピソード全体について話し合えるセッションを開いてくれました。 シーズン2は3話ごとに1年ずつ時代が進む構成なので、その間に何が起こったかを共通認識として持つことが大事だったんです。なのでアドリアやステランとは、キャラクター同士の関係の流れを把握するために、じっくり話し合う機会が設けられ、監督たちとも密に準備を重ねました。 ——キャシアン・アンドーの物語はここで区切りがつきます。ディエゴさんは監督やプロデューサーとしても活躍されていますが、今後やってみたい仕事はありますか? ディエゴ:現在はメキシコ映画の監督作『セニサ・エン・ラ・ボカ(原題)』の編集中なんです。タイトルは「口が灰でいっぱい」という意味です。その後に何をするかはちょっと時間を取って慎重に考えていきたいと思っています。 (取材・文・写真:阿部桜子)  ドラマシリーズ『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』シーズン2は、「ディズニープラス」にて毎週水曜日に独占配信中。

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