【ネタバレ解説】『サンダーボルツ*』ラストシーン&おまけシーン ─ アベンジャーズ新章に繋がる超重要展開の意味とは

『サンダーボルツ*』は、(MCU)への熱を再び呼び起こすような作品だ。物語はドラマチックな結末を迎え、ラストシーンやおまけシーンでは新章につながる重大な告知もなされる。 一体、エンディングではどのような出来事が描かれたのか?本記事では筆者によるジェイク・シュライアー監督への取材コメントも交えながら、たっぷり解説する。 この記事には、『サンダーボルツ*』の重大なネタバレが含まれています。 この記事には、『サンダーボルツ*』の重大なネタバレが含まれています。 ©2025 MARVEL 『サンダーボルツ*』ラストシーン解説 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『サンダーボルツ*』で脅威となるのは、「セントリー計画」を生き延びたボブの心に潜む影の人格、ヴォイドだった。ニューヨークの全てが闇に呑み込まれる中、エレーナはボブの心の迷宮に飛び込み、彼に寄り添う。 ボブは暴力支配的な父親に植え付けられた過去のトラウマに苦しんでいた。そこにバッキー、アレクセイ、ジョン・ウォーカー、ゴーストも駆けつけると、一同はボブが人体実験を受けたOXE社ラボを再現したトラウマ記憶へと立ち入っていく。 闇の人格ヴォイドと対峙したボブは、影の自分に馬乗りになって泣きながら殴り続けるが、ヴォイドはただただ不気味に笑うだけで倒すことができない。なおも自分を殴り続けるボブの元に、まずエレーナが後ろから抱きしめ、続いてサンダーボルツの全員がボブを支える。「私がいる。あなたは1人じゃない」……。 不安を共に吐き出す仲間を得ることができたボブはトラウマから抜け出し、目覚めるとニューヨークから影が消えていた。ボブに触れた者は辛いトラウマ記憶を呼び起こされていたが、もうエレーナが彼に触れても平気のようだ。 元通りになった街で、サンダーボルツは「セントリー計画」の主導者であるヴァレンティーナの姿を見つける。詰め寄ろうとすると、彼女は横断幕の裏側へ逃げ込む。そこにはマスコミが詰めかけており、即席の記者会見会場が出来上がっていた。サンダーボルツの一同も横断幕をくぐると、なんとヴァルは彼らを「ニュー・アベンジャーズ」と紹介し、事態を丸め込んでしまう。 (c) 2025 MARVEL エンドロールでは、実在するメディアの記事見出しを則る形で、ニュー・アベンジャーズに対する世間の困惑や不満の声が紹介される。どうやらマーベル世界の人々は、彼らを新たなアベンジャーズとしてまだ認めたくないらしい。 観客をあっと驚かせたのは、エンドロールが進んで『Thunderbolts*』のロゴが登場した後、『The New Avengers』と差し替えられるギミックだ。アベンジャーズ新章を大々的に打ち出した、MCUという巨大シリーズならではのワクワクさせる演出となった。 タイトルに意味深に付与されていたアスタリスクの意味が判明する。このアスタリスクは本作のタイトル発表時から“何か意味があるらしいが、観てからのお楽しみ”とされていた。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長も「映画が公開されるまでは、これ以上のことはお伝えしません」とのだ。 ようやく観客がアスタリスクの意味することを知ることになる。「すごく楽しみですよ!」と、本作監督のジェイク・シュライアーは筆者の取材にコメントしてくれた。どうやらこの遊び心は、シュライアーの発案によるものだったようだ。「僕が最終プレゼンで、アスタリスクをつけて、何かすごいものに繋がったら面白いと提案したんです。だから、ついにみなさんに意味を知ってもらえるのが楽しみです」。  次のページより、いよいよ衝撃のおまけシーンについて解説を進める。 この記事には、『サンダーボルツ*』の重大なネタバレが含まれています。 ©2025 MARVEL 『サンダーボルツ*』おまけシーン解説 『サンダーボルツ*』のおまけシーンは二つ存在する。一つはエンドロール途中に挿入されるミッドクレジットシーンで、スーパーマーケットにてレッド・ガーディアン/アレクセイが自身の姿が印刷されたシリアルの箱を女性客に見せびらかすが、気づいてもらえないというシーン。これは、劇中でアレクセイが「いつかシリアルの箱になる」との夢を語っていたことのコメディ的伏線回収だ。 今後への本格的な予告となったが、エンドロール後に登場するポストクレジットシーン。ここでは、本編から14ヶ月後が描かれる。サンダーボルツはすっかりニュー・アベンジャーズとして活動しているらしく、新しい「A」マークがシャッターに施された基地に集まっている。 彼らがアベンジャーズであることは政府公認となっているが、新キャプテン・アメリカのサム・ウィルソンが「アベンジャーズ」の名称利用に反対しているという。“バキ翼”コンビの相方バッキーが説得を試みたが、うまくいかなかったそうだ。 © 2024 MARVEL. アレクセイは「AvengerZ」とモジった名称で商標権を突破しようとユニフォームまで作って提案するが、エレーナの反応は冷ややかである。 一方、エレーナは宇宙の危機が迫っていると警告する。そこに「余剰次元」という聞きなれない領域からの船が接近しているとのアラートが入る。モニターで確認すると、一隻の宇宙船が地球に向かって飛来している。宇宙船が角度を変えると、そこに刻まれているのは「4」の文字……、そう、これはファンタスティック・フォーの宇宙船だ。 © 2025 20th Century Studios / © and 2025 MARVEL. 2025年7月25日に公開される映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』では、1960年代風のニューヨークを舞台に、マーベル史上最初のヒーローチームであるファンタスティック・フォーの活躍が描かれる。彼らの世界はMCU神聖時間軸(アース616)とは別世界になると見られる。 チームメンバーを演じるペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、ジョセフ・クイン、エボン・モス=バクラックはいずれも『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に出演するから、彼らがアース616のヒーローたちとどのように合流するかが注目されている。 『ファースト・ステップ』では、惑星を喰らう最大脅威ギャラクタスとその超次元的使者シルバーサーファーが襲来。『サンダーボルツ*』のラストで彼らの船がアース616のこちら側にやってきたということは、『ファースト・ステップ』の劇中世界がギャラクタスらによって滅ぼされてしまい、ファミリーがアース616に逃げてきたり、あるいは助けを求めてやってきたりするということか。マーベル・ユニバース最高の頭脳の持ち主であるリーダーのリード・リチャーズが、科学によってマルチバースを超える方法を編み出すと考えるのは自然なことだ。 © 2025 20th Century Studios / © and 2025 MARVEL. 『サンダーボルツ*』のおまけシーンは『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に直接つながる、極めて重要な示唆を行っているかもしれない。マルチバースの不思議はまだ解明されていない事柄が多く、ファンタスティック・フォーは何か別の脅威を連れてやってきたのかもしれない。次なるラスボス、ドクター・ドゥームは原作コミックで主にファンタスティック・フォーの宿敵として登場することが多いヴィランだ。猛スピードで飛来する船からは何やらただならぬ切迫感がみられたが、果たして彼らはどんな事情を抱えて異次元の旅に飛び出していたのか……? ところでこのおまけシーン、本編とややテイストが異なることに気づいた方もいるかもしれない。「あのシーン、僕は撮っていないんです」と、ジェイク・シュライアー監督は米に語っている。撮影現場には同席したというシュライアーは、同シーンが『ドゥームズデイ』の撮影に先行したものの一環であると示唆している。「まもなく製作が始まる企画のセットからのものです」。 (C) 2024 MARVEL. 実はこのシーンは、製作のかなり後期になって決まったものだといい、映画公開時のインタビュー時点で「たしか一月くらい前に撮影されたばかり」とシュライアーは認めている。つまり2025年3月ごろに撮影されていたということだ。 『『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督がエクゼクティブ・プロデューサーとして参加し、ガーディアンズのメンバーが登場する場面を監修した。しかしシュライアーは『ドゥームズデイ』と続編『シークレット・ウォーズ』でサンダーボルツの登場場面に手を入れず、2作の監督アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟に委ねると、筆者の取材にて。「あのキャラクターたちはまた別の物語と共に前進するもの。もちろん、僕は彼らのことを深く気にかけていますし、いくらか保護的にもなりますが、彼らに敬意が払われることを信じていますし、何よりも役者たちが正しい物語を守ってくれると信じています」。 果たして、おまけシーンでやってきたファンタスティック・フォーはサンダーボルツ……もとい、ニュー・アベンジャーズとどのように対面するのか?『サンダーボルツ*』は大ヒット公開中。何度でも劇場で堪能しよう。

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