「期待の春ドラマ」ランキングTOP3、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー

 寒い冬が終わり、春の訪れとともに続々とスタートを切っている春ドラマの数々。今回、クランクイン!では、「楽しみな2025年春ドラマ」アンケートを実施した。本稿では、ランキングトップ3の上位3作品の第1話をレビューする。 【写真】2025年春ドラマ「2話以降も見続けたい」ランキングTOP10<フォトギャラリー> ■テンポがズバ抜けていい『キャスター』  「楽しみな春ドラマ」ランキング第3位は、阿部寛が主演する日曜劇場『キャスター』(TBS系/毎週日曜21時)。  オリジナル脚本で描く本作は、テレビ局の報道番組を舞台に、闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント。“世の中を動かすのは真実!”という信念の男・進藤壮一(阿部)は、公共放送から民放テレビ局JBNの会長に引き抜かれ、視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任。生ぬるい報道体制を正すことが使命で、番組を正すためにやってきたと豪語する進藤は、“真実を伝える”ためには手段を選ばず、独自のルールで取材や調査を行い既存のルールはおかまいなし。圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいく型破りで破天荒な男だ。そのほか、バラエティ番組のヒットメーカーだったが『ニュースキャスター』のテコ入れのために抜てきされた総合演出・崎久保華を永野芽郁が演じる。  ドラマは、真実のためならしがらみや大人の事情などお構いなし! という新藤のキャラクターが、他のキャラクターを巻き込む形で鮮やかに表現されて開幕。この男、厄介だ…。それと同時に、何より感じるのは展開の早さだ。大物政治家役の北大路欣也が突然ぶっ倒れるまでの流れるようなテンポのよさ! 安心していて見ることができるのは、さすがTBSの看板ドラマ枠だ。  新藤が単なる「裏表のない正義の人」ではなく、ダーティな部分もあるのでは…? ということがほのめかされ、それを知った永野演じる華が彼に対決姿勢を示したところで第1話は幕を閉じる。彼女が単なる「ホームズにとってのワトソン」に終わらず、新藤とどういった関係性を築いていくのか、注目だ。  個人的には、報道局長・海馬を演じる岡部たかしや、編成部の滝本を演じる加藤晴彦らにも注目したい。特に加藤は、出てきた瞬間には誰だか分からず、「あれ? どこかで見たことあるような…」と思ってキャストを確認してびっくり。日曜劇場は8年ぶりの出演だという。彼らは本作では受けの演技、言い換えれば「進藤の行動に驚き慌てふためく係」となるはずだが、彼らの熟練の存在感にも期待したい。 ■フレッシュな2人が共演するバディもの『ミッドナイト屋台〜ラ・ボンノォ〜』  「楽しみな春ドラマ」ランキング第2位に入ったのは、アイドルグループ・WEST.の神山智洋が主演し、Travis Japanの中村海人が共演する『ミッドナイト屋台〜ラ・ボンノォ〜』(東海テレビ/毎週土曜23時40分)だった。  神山が料理の腕は一流だけど、ワケあって味とにおいが分からなくなったフレンチシェフ・翔太を演じ、中村が料理はできないけど味には敏感な落ちこぼれ僧侶・輝元を演じる。仕事の壁にぶちあたり人生の岐路に立たされた2人が、ひょんなことからタッグを組むことに。神山は、今作が初の地上波連続ドラマ単独主演となる。  『きのう何食べた?』(テレビ東京系)シリーズや、『フェルマーの料理』(TBS系)など、「料理×バディ」の名ドラマが増えている中、本作ではフレッシュな2人が、お互いの欠点を補いながらミッションに挑む王道なバディを務める。  第1話では、中村演じる僧侶・輝元が生前お世話になった大切な檀家の男性の葬式でのトラブルをきっかけに、神山演じるワケありのフレンチシェフ・翔太と出会い、紆余曲折を経て2人で、寺の境内でフレンチの屋台をオープンするところまでが描かれる。  愛想のないぶっきらぼうな翔太を、人懐っこくて少々強引なほどマイペースな輝元が巻き込んでいく形でストーリーは展開する。水と油の性格の翔太と輝元を、神山と中村がドラマ初共演とは思えない息のあった演技で丁寧に演じていく。  料理ドラマのもう一方の“主人公”も忘れてはならない。翔太の手によって生み出されるごちそうは、どれも食欲をそそり、放送される深夜に見ると目に毒なものばかりで、目でも味わえる作品となっている。なお、作品で紹介されたレシピは、ドラマ公式ホームページで公開中だ。 ■主人公たちのかけ合いが楽しい『イグナイト ‐法の無法者‐』  「楽しみな春ドラマ」ランキング第1位に輝いたのは、間宮祥太朗が主演を務める『イグナイト -法の無法者-』(TBS系/毎週金曜22時)。  「Ignite」とは“火をつける”の意だ。原告になりそうなターゲットの心に火をつけ、訴訟を起こさせるという、これまでのリーガル・ドラマとは一線を画す完全オリジナルのダークリーガル・エンターテインメントを謳っている。  TBS連続ドラマ初主演となる間宮が演じるのは、向こう見ずだが正義感にあふれる新米弁護士・宇崎凌。宇崎が飛び込む「ピース法律事務所」のリーダー・轟謙二郎役で仲村トオル、チームのムードメーカー・伊野尾麻里役で上白石萌歌、秀才の現代っ子弁護士・高井戸斗真役で三山凌輝、ベテラン弁護士・桐石役で及川光博、捜査一課の刑事・浅見役でりょうが出演する。  第1話では、どこの弁護士事務所の面接でも落ち続け、今は工事現場の警備員として糊口をしのいでいる主人公・凌(間宮)が、ひょんなきっかけからピース法律事務所の門を叩くことになり、この事務所のダークな“実態”にたどり着くまでが描かれる。  リーガル・ドラマには似つかわしくないカースタントなどはあるものの、第1話の終盤までは「これは普通のリーガル・ドラマでは?」と思わされるが、最後の最後に思わぬ人物が味方だったと知らされるどんでん返しがあり、驚かされる。なるほどこれは確かに“ダーク”だ。  ただ、本作はそれ以外にも、仲村トオル、上白石萌歌、三山凌輝らが演じるピース法律事務所の個性豊かな面々と、主人公・凌の丁々発止のこぎみよいかけあいが見ていて楽しい。基本的には1話完結型なので、週末の夜にサクッと見られる作品となりそう。  『キャスター』はTBS系にて毎週日曜21時放送。『ミッドナイト屋台 〜ラ・ボンノォ〜』は東海テレビ・フジテレビ系にて毎週土曜23時40分放送。『イグナイト ‐法の無法者‐』はTBS系にて毎週金曜22時放送。

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